デジタル大辞泉 「巻雲」の意味・読み・例文・類語
けん‐うん【▽巻雲/絹雲】
[類語]雲・巻積雲・巻層雲・高積雲・高層雲・乱層雲・層積雲・層雲・積雲・積乱雲
翻訳|cirrus
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
晴れた日に、空高く、刷毛(はけ)でこすった跡のような形の白い雲が見えることがある。これが巻雲である。記号Ci。対流圏上部(日本付近では高度5~13キロメートル程度)に発生する氷晶雲で、羽毛のように見えるのは、氷晶が落下しながら風にたなびいているためである。
巻雲の発生は、巻積雲、高積雲から落下する氷晶がもとになる場合、積乱雲の雲頂から吹き上げられた氷晶(鉄床雲(かなとこぐも))がもとになる場合、巻層雲が消える直前に残った氷晶がもとになる場合などがある。巻雲の形は、直線状、または多少もつれた毛状巻雲、先端が釣り針のように曲がっているかぎ状巻雲、ある程度の広がりをもった濃い濃密巻雲、先端に積雲のような塊のついている塔状巻雲、積雲のような塊が房のように集まった房状巻雲に分類されている。ジェット気流の近くには独特の形の巻雲(ジェット気流雲)が発生する。なお、気象庁は1964年(昭和39)、「巻」は「けん」とは読まないとした当用漢字音訓表にあわせるため表記を「絹雲」に改めた。しかしその後、1981年に制定された常用漢字表では「巻」を「けん」と読むことが認められたため、1988年4月1日に従来の表記に戻された。
[木村龍治]
『高橋健司著『Cloud――造形美の競演』(1998・誠文堂新光社)』▽『山田圭一撮影『雲の四季』(1999・白水社)』
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