デジタル大辞泉
「彩雲」の意味・読み・例文・類語
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さい‐うん【彩雲・綵雲】
- 〘 名詞 〙
- ① 美しくいろどられた雲。朝日や夕日などに映えて美しい雲。
- [初出の実例]「瓊粉誤加二粧黛上一、綵雲漫鎖二碧渓間一」(出典:本朝麗藻(1010か)上・花落掩青苔〈高階積善〉)
- 「綝袖(りんしう)と花の袖翻りて、彩雲(サイウン)の翠の嶺を廻るが如し」(出典:源平盛衰記(14C前)一七)
- [その他の文献]〔李白‐早発白帝城詩〕
- ② 高層の雲の縁辺部が、その縁に平行にいろどられてみえる現象。色は緑とピンク色が主。光冠(コロナ)と同じく、雲をつくる微小水滴によって太陽光が回折されたときにみられる現象。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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彩雲 (さいうん)
空に高積雲が浮かんでいる時,太陽に近い雲の縁がスペクトルの色に分かれて,美しく色づいて見える現象である。光冠と同じく雲を形づくっている雲粒による太陽光線の回折現象でおこるものである。消えかかっている雲で見えることが多く,色の帯は雲の縁にかなり平行して見える。雲粒が蒸発して消える時は,粒がだんだん小さくなるだけでなく,大きさがそろう傾向があり,それで太陽からの距離が,光冠に比べてかなり遠い所まで鮮やかに見えるのである。昔はこういう現象はめでたいことのある前兆だとして,これに景雲,慶雲,紫雲,瑞雲(ずいうん)などの名が与えられ,神護景雲とか慶雲のように,年号まで変えられるようなことがあった。
執筆者:畠山 久尚
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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普及版 字通
「彩雲」の読み・字形・画数・意味
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彩雲
さいうん
iridescent cloud
光環と同じく,太陽や月の光が微小な水滴や氷晶による回折現象で,淡い赤や緑で縁どられるか,あるいは部分的に輝いて見える雲。おもに巻雲,巻積雲や高積雲などで見られる。昔は吉兆として,慶雲,景雲,紫雲(しうん),瑞雲(ずいうん)などの名前で呼ばれた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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彩雲【さいうん】
巻積雲,高積雲または層積雲にみられる雲のふちなどがピンク,緑などに美しく色どられる現象。光冠と同じく微小水滴による太陽光の回折が原因で起こる。雲全体が色づくこともある。昔から瑞徴とされ,景雲,慶雲,紫雲,瑞雲などと呼ばれてきた。
→関連項目真珠雲|レンズ雲
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彩雲
さいうん
巻積雲(けんせきうん)、巻層雲、高積雲の一部が虹(にじ)のように淡く輝いて見える現象。目と太陽を結ぶ線から特定の角度に雲がある場合に生じる。雲粒が過冷却水滴である場合も、また氷晶である場合も生じると考えられている。しかし、同じ太陽光線の回折現象であっても、水滴と氷晶ではメカニズムは異なると思われる。瑞雲(ずいうん)、景雲、紫雲(しうん)などとよばれ、縁起のよい現象とみる地方もある。
[木村龍治]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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