空に高積雲が浮かんでいる時,太陽に近い雲の縁がスペクトルの色に分かれて,美しく色づいて見える現象である。光冠と同じく雲を形づくっている雲粒による太陽光線の回折現象でおこるものである。消えかかっている雲で見えることが多く,色の帯は雲の縁にかなり平行して見える。雲粒が蒸発して消える時は,粒がだんだん小さくなるだけでなく,大きさがそろう傾向があり,それで太陽からの距離が,光冠に比べてかなり遠い所まで鮮やかに見えるのである。昔はこういう現象はめでたいことのある前兆だとして,これに景雲,慶雲,紫雲,瑞雲(ずいうん)などの名が与えられ,神護景雲とか慶雲のように,年号まで変えられるようなことがあった。
執筆者:畠山 久尚
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