ロクスビー鉱(読み)ろくすびーこう(その他表記)roxbyite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロクスビー鉱」の意味・わかりやすい解説

ロクスビー鉱
ろくすびーこう
roxbyite

Cu1+(一価銅)とCu2+(二価銅)の両方を含む輝銅鉱類似の銅硫化物。輝銅鉱群鉱物の一つ。自形未報告。顕微鏡的な直線的輪郭の見えることはあるが未記載。深熱水性銅鉱床や斑岩(はんがん)銅鉱鉱床で、初生のデュルレ鉱の分解物として生成される。日本では新潟県東蒲原(ひがしかんばら)郡三川(みかわ)村(現、阿賀(あが)町)三川鉱山閉山)から産した。

 共存鉱物は、デュルレ鉱、斑銅鉱黄鉄鉱黄銅鉱赤鉄鉱など。ほかの銅過剰の硫化銅鉱物とは肉眼的には識別できない。命名は原産地南オーストラリア、ロクスビー・ダウンズRoxby Downsによる。

加藤 昭 2018年12月13日]


ロクスビー鉱(データノート)
ろくすびーこうでーたのーと

ロクスビー鉱
 英名    roxbyite
 化学式   Cu58S32
 少量成分  Feが該当するともいわれるが、少量でも必須成分の可能性がある
 結晶系   単斜(擬直方)
 硬度    3(ビッカース硬度から逆算
 比重    ~5.7
 色     青黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    一方向に弱い劈開がある
       (「劈開」の項目を参照
 その他   原論文では(Cu,Fe)1.78S~(Cu,Fe)1.83S、Feは最大で0.02程度と記載されたが、2013年に理想式としてCu58S32正当性が実証された

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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