日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロクスビー鉱」の意味・わかりやすい解説
ロクスビー鉱(データノート)
ろくすびーこうでーたのーと
英名 | roxbyite |
化学式 | Cu58S32 |
少量成分 | Feが該当するともいわれるが、少量でも必須成分の可能性がある |
結晶系 | 単斜(擬直方) |
硬度 | 3(ビッカース硬度から逆算) |
比重 | ~5.7 |
色 | 青黒 |
光沢 | 金属 |
条痕 | 黒 |
劈開 | 一方向に弱い劈開がある(「劈開」の項目を参照) |
その他 | 原論文では(Cu,Fe)1.78S~(Cu,Fe)1.83S、Feは最大で0.02程度と記載されたが、2013年に理想式としてCu58S32の正当性が実証された |
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ロクスビー鉱
ろくすびーこう
roxbyite
Cu1+(一価銅)とCu2+(二価銅)の両方を含む輝銅鉱類似の銅硫化物。輝銅鉱群鉱物の一つ。自形未報告。顕微鏡的な直線的輪郭の見えることはあるが未記載。深熱水性銅鉱床や斑岩(はんがん)銅鉱鉱床で、初生のデュルレ鉱の分解物として生成される。日本では新潟県東蒲原(ひがしかんばら)郡三川(みかわ)村(現、阿賀(あが)町)三川鉱山(閉山)から産した。
共存鉱物は、デュルレ鉱、斑銅鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱、赤鉄鉱など。ほかの銅過剰の硫化銅鉱物とは肉眼的には識別できない。命名は原産地南オーストラリア、ロクスビー・ダウンズRoxby Downsによる。
[加藤 昭 2018年12月13日]
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