デュルレ鉱(読み)でゅるれこう(その他表記)djurleite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デュルレ鉱」の意味・わかりやすい解説

デュルレ鉱
でゅるれこう
djurleite

銅(Cu)の硫化鉱物の一つ。1958年スウェーデンの化学者セベド・デュルレSeved Djurle(1928―2000)はCu-S二成分系において、Cu2Sにきわめて近い化学組成領域に二つの相、真実のCu2SとCu1.96Sという二つの独立相があることを発見した。1962年(昭和37)日本の森本信男(1925―2010)とアメリカのユージン・ローズブームEugene Roseboomは、これらが天然にそれぞれ独立に産出することを確認し、後者を新鉱物デュルレアイトdjurleiteとして記載した。輝銅鉱‐方輝銅鉱群に属する。自形は短~長柱状、あるいは厚板状。

 各種銅鉱床に初生鉱物あるいは二次鉱物として産する。日本ではこれまで輝銅鉱とされていたもののかなりの部分が本鉱に属することが明らかになった。秋田県北秋田市阿仁(あに)鉱山閉山)をはじめ同県鹿角(かづの)市尾去沢(おさりざわ)鉱山(閉山)では方鉛鉱後の仮晶をなして産することも確認された。斑銅鉱(はんどうこう)と共存する「輝銅鉱」の多くはデュルレ鉱である。共存鉱物は輝銅鉱、方輝銅鉱、斑銅鉱、阿仁鉱石英など。輝銅鉱との識別は困難であるが、斑銅鉱あるいは方輝銅鉱と共存する銅硫化鉱物は多く本鉱である。命名は、最初に合成相の化学組成と結晶学性質を確定したデュルレにちなむ。

加藤 昭 2017年12月12日]


デュルレ鉱(データノート)
でゅるれこうでーたのーと

デュルレ鉱
 英名    djurleite
 化学式   Cu31S16。これは原子配列から決定されたものでCu1.9375Sに相当する。デュルレの研究ではCu1.96Sと指定された
 少量成分  Ag,Fe,Se
 結晶系   単斜。擬斜方(擬直方)
 硬度    2.5~3
 比重    5.75
 色     黒灰
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

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最新 地学事典 「デュルレ鉱」の解説

デュルレこう
デュルレ鉱

djurleite

化学組成Cu31S16の鉱物。単斜晶系,空間群P21/n, 格子定数a2.6897nm, b1.5745, c1.3535, β90.13°, 単位格子中8分子含む。肉眼では金属光沢,鉛灰色。粒状集合体や緻密塊状,まれに単柱状。劈開なく,断口不規則~貝殻状,硬度2.5~3(VHN65~85),比重5.63。反射光下で灰色,異方性弱,反射率32.6~33.2(580nm),輝銅鉱に酷似する。93℃以下でのみ安定。浅成銅鉱脈,黒鉱鉱床,斑岩銅鉱床およびそれらの二次富化体に方輝銅鉱・輝銅鉱・斑銅鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱等と共生。最初にこの鉱物を合成したスウェーデンのウプサラ大学S.Djurleにちなみ命名。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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