木酢(読み)キズ(その他表記)wood vinegar

翻訳|wood vinegar

デジタル大辞泉 「木酢」の意味・読み・例文・類語

き‐ず【木酢】

ユズダイダイなどの果実絞り汁料理に酢として使用する。 秋》
[類語]食酢生酢きずポン酢ポンス三杯酢二杯酢梅酢酢醤油酢味噌ビネガーバルサミコ酢

もく‐さく【木酢/木×醋】

木材乾留で得られる、酢酸を多量に含む液。メチルアルコールアセトンなども含む。防腐剤などに使用。木酢酸木酢液。もくす。

もく‐す【木酢】

もくさく(木酢)

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精選版 日本国語大辞典 「木酢」の意味・読み・例文・類語

き‐ず【木酢・生酢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 木酢 ) 柚子(ゆず)だいだいなどの実から搾りとった酢。
    1. [初出の実例]「此石を解くには、木酢を点滲す」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三)
  3. ( 生酢 ) まぜもののない純粋の酢。きす。
    1. [初出の実例]「塩すこしまぶし生酢(キス)に暫くひたし置き」(出典:素人庖丁‐初(1803))

もく‐さく【木酢・木醋】

  1. 〘 名詞 〙 木材を乾留して得られる木酢液から分離した酢酸。不純物が多く、現在は酢酸石灰の製造や防腐剤に用いる程度。木酢酸。〔薬品名彙(1873)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「木酢」の意味・わかりやすい解説

木酢
もくさく
wood vinegar
pyroligneous acid

木材を乾留して得られる液体を静置すると二層に分かれるが、そのうちの上層を木酢あるいは木酢液といい、下層木タールという。木酢には木タールの一部が、木タールには木酢の一部が溶けている。木酢は黒褐色の特有な刺激臭のある液体で、80~90%が水であるが、その他の主成分は、ギ酸、酢酸その他のカルボン酸メタノール(メチルアルコール)、アリルアルコールなどのアルコール、ホルムアルデヒドアセトアルデヒドフルフラールなどのアルデヒド、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトンアンモニアピリジンなどの塩基、トルエンキシレンなどの炭化水素などである。通常、乾留液から木タールを除き、木酢液を石灰乳で中和してから蒸留し、比重1以下の留分を集めて精製してメタノールを取り出し、残液は蒸発乾燥して酢石にし、これから酢酸またはアセトンを得ることができるが、現在工業的にはこれらの方法は行われていない。

[中原勝儼]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木酢」の意味・わかりやすい解説

木酢
もくさく
wood vinegar

木材を乾留して得られる液体は2層になるが,そのうちの上層部を木酢という。主としてメチルアルコールと酢酸から成るが,ほかにギ酸などの低級脂肪酸,酢酸メチル,ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,フルフラール,アセトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,アンモニア,メチルアミン,ピリジン,トルエン,キシレンなど数多くの有機化合物が含まれている。この木酢は,かつては毛皮のなめしに用いられ,メチルアルコールや酢酸の製造にも利用されたが,現在ではほとんど用いられていない。 (→木タール )

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動植物名よみかた辞典 普及版 「木酢」の解説

木酢 (キズ)

植物。ミカン科の常緑低木,園芸植物。スダチの別称

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