アトキンソン(読み)Atkinson,Robert William

デジタル大辞泉 「アトキンソン」の意味・読み・例文・類語

アトキンソン(Robert William Atkinson)

[1850~1929]英国化学者。明治7年(1874)東京開成学校に招かれて来日。のち東京大学理学部教師として、日本の化学の育成貢献日本酒醸造過程の研究でも知られる。著「日本醸酒編」。

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朝日日本歴史人物事典 「アトキンソン」の解説

アトキンソン

没年:1929.12.10(1929.12.10)
生年:1850
明治期に来日したお雇い外国人。イギリス人化学者。イングランドのニューキャスル生まれ。ロンドンの王立鉱山学校卒業後,親日家として著名なロンドン大学のウィリアムソン教授の助手となり,その推薦で明治7(1874)年東京開成学校(東大)の教師に就任し,14年まで勤務した。 担当は分析化学,応用化学であって,学生に対して水質分析など化学分析の方法を指導し,桜井錠二,平賀義美,高松豊吉ら多数の化学者を育てた。学生との合著で『東京府下用水試験説』を出版。また,日本酒の醸造法を学術的に分析し,『日本醸酒編』を著したり,魔鏡(青銅鏡)に関する論文を発表するなど,精力的な研究活動をなした。14年帰国後はウェールズ製鉄所の技術顧問を務めた。37年勲4等に叙せられたが,文部省上申書の中には,上記の功績のほか,帰国後に日本人留学生の斡旋に寄与したことが挙げられている。<参考文献>石山洋「ロバート・ウィリアム・アトキンソン」(『科学技術文献サービス』37号)

(三好信浩)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

化学辞典 第2版 「アトキンソン」の解説

アトキンソン
アトキンソン
Atkinson, Robert William

イギリスの化学者.ロンドンのユニバーシティ・カレッジと王立鉱山学校で化学を専攻し,1872年ロンドン大学(当時は単なる試験機関)理学士を取得.母校ユニバーシティ・カレッジの助手を経て,1874年かつての師で上司であったA.W. Williamson(ウィリアムソン)の推薦で来日し,1881年まで東京開成学校,東京大学で化学教師を務めた.無機化学,有機化学,応用化学,分析実験などほとんどすべての化学関連科目を独力で担当し,桜井錠二,高松豊吉,久原躬弦など明治期の日本を代表する化学者を育てた.イギリス帰国後はウェールズの首都カーディフで化学分析コンサルタント業を営んだ.日本滞在中,日本酒醸造に関する化学的・生物学的研究をし,日本の伝統技術に科学的方法を適用した先駆的業績がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「アトキンソン」の解説

アトキンソン Atkinson, Robert William

1850-1929 イギリスの化学者。
明治7年(1874)来日し,東京開成学校およびその後身の東京大学で分析化学・応用化学などをおしえ,14年帰国。門下から久原躬弦(くはら-みつる),松井直吉らがでた。1929年12月10日死去。79歳。著作に「日本醸酒編」など。

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