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アフォーダンス affordance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アフォーダンス
affordance

これまでの間接的認識論では,環境からきた物理的な刺激を感受し,意味のあるイメージに仕上げると考えたが,環境はそれぞれ特定の性格を与えられた場所として存在している。つまり環境が動物の行為を直接引き出そうと提供 (アフォード) している機能をさす。言い換えると,ある物のもっている「食べられる」という属性は,主体の食欲とは無関係に存在するということ。知覚心理学者 J.ギブソンが提唱した造語。情報は環境 (状況) のなかに実在しており,人間はその情報を識別することで,それらのもつ意味や価値を見出すことができるというもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

アフォーダンス【affordance】

アフォーダンスは,アメリカの心理学者ジェームズ・ギブソンJames J.Gibson(1904-79)が英語の動詞アフォード(afford=与える,できる)をもとにつくった心理学の用語である。アフォーダンスは物に備わる性質である,と同時に,物と動物との関係の仕方,つまり物に触れる動物の行動によってはじめてあらわれてくる性質でもある。つまりアフォーダンスとは環境の性質であり,かつ動物行動の性質でもある。

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大辞林 第三版の解説

アフォーダンス【affordance】

知覚心理学者 J =ギブソンの理論。環境の意味や価値は認識主体によって加工されるのでなく、環境からの刺激情報のうちにすでに提供され、固有の形をとっているという思想。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アフォーダンス
あふぉーだんす
affordance

アメリカの知覚理論家J・J・ギブソンが生み出した概念。生物が知る世界の「意味」は、神経による情報処理によってつくられるのではなくて、すでに外界の客観的構造として存在しているという仮説。要するに、情報は環境の中に満ちあふれており、生き物はその一部をピックアップしているのだということである。一見簡単なことをいっているようだが、これは外界と自己との関係についての基本認識に、根本的な変更を迫るものである。アフォーダンスは、環境をすでに与えられたデータとしてではなく、生きた知覚とのダイナミックな相互作用において考える。それはまた、人工知能ロボットの設計にも新たなアイデアをもたらすものとして期待されているのである。[吉岡 洋]

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世界大百科事典内のアフォーダンスの言及

【行為】より

…具体的には,身体運動をつかさどるモデルが神経系ないし脳に形成され,それによって運動が制御されているという理論も提案されている。それに対して,行為は環境に対する応答として成立する点を重視する生態学的見方では,環境内のアフォーダンスの知覚とともに身体動作も同時に〈知覚〉され,制御されていると考えられ,知覚と行為,感覚と運動の相補的関係が強調される。このような見方では,もはや行為を導く意図という内的過程を考慮する必要はなく,制御はむしろ世界のなかで行われているということになる。…

※「アフォーダンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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