アムラン(英語表記)Hamelin, Octave

デジタル大辞泉 「アムラン」の意味・読み・例文・類語

アムラン(Amran)

イエメン北西部の町。首都サヌアの北西約50キロメートルに位置する。交通要地。旧市街には、1階が石造、2階以上が日干し煉瓦でつくられた同国北部の伝統的な建物が多く残っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アムラン」の意味・わかりやすい解説

アムラン
Hamelin, Octave

[生]1856.7.22. リオン,ダンジェ
[没]1907.9.8. ユシェ
20世紀前半のフランスを代表する哲学者。高校の哲学教授歴任後,1884年ボルドー大学教授。 1903年エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) ,05年ソルボンヌ大学講師。 07年長年の研究の成果たる『表象の主要要素についての試論』 Essai sur les éléments principaux de la représentation,および副論文としてのアリストテレス『自然学』第2巻の翻訳と注解とを公刊し,学位論文としてソルボンヌ大学に提出。『試論』は主査 E.ブートルーとの間に激しい論戦を引起した。好敵手 H.ベルクソンが科学批判から直観主義をとったのに対し,古典研究を根底とする観念論に立って表象を唯一の哲学の対象とした。その出発点にあるのは師 C.ルヌービエカント主義であるが,総合的方法によって表象を体系化したところにその独自性がある。措定は必ずその反対措定の排除のうえに成り立つという事実から,定立,反定立,総合の3契機を関係と名づけ,その弁証法を用いて範疇を必然的連鎖のもとにおいた。関係と数,時間と空間,運動と質,変質と種化,因果性と目的性,そして至高の総合としての人格の 11がその範疇である。人格性を至高の実在,根源的統一とみるその哲学は,真の意味で開かれた創造の哲学であり,弟子のル・センヌのたどった実存哲学に近い。アムランは晩夏の避暑地の海でおぼれかかった2人を救いながら,みずからは死んだ。死後高等師範学校での講義ノートから『デカルトの体系』 (1911) ,『アリストテレスの体系』 (20) ,『ルヌービエの体系』 (27) など『試論』の根底となった研究が公刊された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アムラン」の意味・わかりやすい解説

アムラン
あむらん
Octave Hamelin
(1856―1907)

フランスの哲学者。メーヌ・エ・ロアール県に生まれる。ソルボンヌ大学を卒業後、ボルドー大学教授を経て、1905年母校教授となる。主著『表象の主要な諸要素についての試論』(1907)は近代観念論のもっとも大胆な著作の一つと評価された。彼は師ルヌービエの批判主義を継承して、実在は表象からなると考える。しかし、すべての表象は、それと反対対立の関係にある表象を排除する限りで、これら二つの観念を部分とする全体において、初めて意味をもつ。それゆえ二つの相対立する観念は第三の観念を要求する。これが彼の総合的方法である。ベルクソンに匹敵する大哲学者と期待されていたが、主著の刊行後5か月で急逝した。ほかに遺稿『デカルトの体系』(1910)、『アリストテレスの体系』(1920)、『ルヌービエの体系』(1927)がある。

[坂井昭宏 2015年5月19日]

『澤瀉久敬編『現代フランス哲学』(1968・雄渾社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「アムラン」の意味・わかりやすい解説

アムラン
Octave Hamelin
生没年:1856-1907

フランスの哲学者。ボルドー大学(1884),ソルボンヌ(1905)の教授を歴任。ヘーゲル哲学の影響をうけて,師のルヌービエのカント主義的立場を批判し,より力動的な〈全体的合理論〉の立場を主張した。彼の主張する〈総合的な方法〉は,ヘーゲル的な矛盾の止揚の弁証法というより肯定的な相関的総合であり,フランス合理論の伝統に立つものであった。主著は《デカルトの体系》(1911)など。
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367日誕生日大事典 「アムラン」の解説

アムラン

生年月日:1856年7月22日
フランスの哲学者
1907年没

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