デジタル大辞泉
「アメーバ赤痢」の意味・読み・例文・類語
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「アメーバ赤痢」の解説
あめーばせきり【アメーバ赤痢】
[どんな病気か]
赤痢アメーバという原虫(げんちゅう)が感染しておこる赤痢で、感染症予防法の5類感染症に指定されています。
世界各地でみられますが、とくに、熱帯や亜熱帯に多くみられる病気です。日本では、まれな病気ですが、海外旅行へ行った人がもち帰った輸入感染症や性感染症として、ときどき発見されます。
赤痢アメーバは、下痢便(げりべん)の中から約30μm(マイクロメートル)(1μmは、1000分の1mm)の栄養型として見つかりますが、固形便の中からも抵抗性の強い嚢子(のうし)として検出されます。
感染は、赤痢アメーバの混入した水を飲んでおこることが多いのですが、下肥(しもごえ)で育てた野菜、ハエやゴキブリが運んだ嚢子の混入した食物や、嚢子の保有者が調理した飲食物の摂取などでもおこります。
同性愛者のアナルセックスで、性感染症としておこることもあります。
[症状]
感染しても無症状のままのこともありますが、ふつうは、粘液(ねんえき)・血液のまじった下痢便が1日数回から二十数回おこり、下腹部が痛みます。発病して2~3日は軽く発熱しますが、その後は解熱します。
体重が減少し、貧血がおこります。ひどい場合は、肝臓(かんぞう)や肺に膿瘍(のうよう)ができます。
細菌性赤痢やカンピロバクター食中毒との鑑別が必要です。消化器内科を受診しましょう。便の顕微鏡検査で赤痢アメーバが証明されれば、診断は確定します。
[治療]
栄養型のアメーバが検出された場合は、メトロニダゾール系の薬の内服がよく効きます。
肝臓に膿瘍ができた場合は、外科的な治療が必要になることもあります。
[予防]
海外旅行などで流行地に滞在するときは、生水(なまみず)を飲むのを避け、飲食物は、加熱したものを食べるようにしましょう。
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アメーバ赤痢
アメーバせきり
amoebic dysentery
原虫の一種である赤痢アメーバの経口感染によって発病する大腸の潰瘍性炎症。細菌性赤痢に対するもの。急激に発熱し,特有のイチゴゼリー状の粘血便を 1日数回ないし十数回排便する。腹痛が激しく,数日のうちに死にいたる急性型と,緩慢に発病して下痢と腹痛を繰り返し,回復したかと思うとまた再発する慢性型とがある。細菌性赤痢との確実な鑑別診断は,検便によって赤痢アメーバを検出すること。肝膿瘍を併発することがある。治療薬としては塩酸エメチンが使われてきたが,テトラサイクリン系抗生物質も有効である。
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「アメーバ赤痢」の意味・わかりやすい解説
アメーバ赤痢【アメーバせきり】
赤痢アメーバの経口伝染による腸アメーバ症で赤痢症状を示すもの。熱帯に多いが温帯にも分布。普通ゆるやかに発病し一般に熱もないが,やがて大腸,直腸に潰瘍(かいよう)を生じ,1日数回〜十数回の下痢をする。便は典型的にはゼリー状粘血便。治療にはメトロニダゾールなどを投与する。服用困難な場合は,エメチン筋注。治療しないと慢性化し再発を繰り返す。→赤痢
→関連項目トコン
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世界大百科事典(旧版)内のアメーバ赤痢の言及
【赤痢】より
…赤痢とは発熱,下腹部痛,粘液・血液を混じた頻回の下痢,しぶりばらtenesmus(裏急後重)を主要症状とする法定伝染病で,主として大腸粘膜の潰瘍性炎症を伴う腸管感染症である。その病原体によって細菌性赤痢とアメーバ赤痢に分類される。
[細菌性赤痢bacillary dysentery]
病原体である赤痢菌は1897年[志賀潔]によって発見され,志賀の名にちなんでShigellaという属名がつけられた。…
※「アメーバ赤痢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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