法定伝染病(読み)ほうていでんせんびょう

  • ほうていでんせんびょう ハフテイデンセンビャウ
  • ほうていでんせんびょう〔ハフテイデンセンビヤウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伝染病予防法による感染症の分類。コレラ疫痢を含む赤痢(→アメーバ赤痢細菌性赤痢),腸チフスパラチフス痘瘡発疹チフス猩紅熱ジフテリア流行性脳脊髄膜炎ペスト日本脳炎の 11種。これら感染症の患者を診断し,またはその死体検案した医師は,市町村長あるいは管轄保健所長(→保健所)への届け出を義務づけられ,感染症またはその疑いのある患者が出た家の世帯主なども受診と届け出が課せられた。患者の隔離,所持品や住居などの消毒,家族ないし接触者の検査なども規定された。今日これらの感染症は,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による分類に応じ,措置などが定められている。

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デジタル大辞泉の解説

家畜伝染病予防法で指定されている家畜伝染病通称監視伝染病の一。家畜法定伝染病
伝染病予防法で定められていた悪性伝染病伝染性感染症)。同法では、医師の届け出義務、患者の隔離と強制入院、消毒などが規定されていたが、平成11年(1999)の伝染病予防法廃止、感染症予防法施行に伴い、人の場合はこの呼称は使用されなくなった。

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百科事典マイペディアの解説

伝染病予防法伝染病と規定されるもの。コレラ赤痢疫痢を含む),腸チフスパラチフス天然痘発疹チフス猩紅(しょうこう)熱ジフテリア流行性脳脊髄膜炎ペスト日本脳炎の11種。また,厚生大臣が定めた指定伝染病には伝染病予防法が全面的または限定的に適用され,1997年現在,急性灰白髄炎(ポリオ),ラッサ熱O-157を含む腸管出血性大腸菌感染症の3種がある。
→関連項目学校伝染病検疫公費負担医療指定伝染病届出伝染病

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栄養・生化学辞典の解説

 コレラ,赤痢など11種の伝染病で,医師が診断もしくは感染者の死体を検屍した場合に直ちに届け出なければならない伝染病予防法で定められた伝染病であった.現在は平成10年制定の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」によって,コレラ,細菌性赤痢などは,二類感染症に分類され,対策が規定されている.

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世界大百科事典 第2版の解説

伝染病予防法(1954年制定)で予防方法が定められた疾患で,コレラ,赤痢(疫痢を含む),腸チフス,パラチフス,痘瘡(とうそう),発疹チフス,猩紅熱,ジフテリア,流行性脳脊髄膜炎,ペスト,日本脳炎の11疾患を指す。法定伝染病を診断,または法定伝染病によって死亡した死体を検案した医師は,ただちに市町村長(または検疫委員,予防委員)を経由して患者あるいは死体の所在地の保健所長に届出なければならない。医師から届出られた後,患者の収容・治療や行動制限,患者あるいは死亡者との接触者や接触した物の隔離,検査,消毒等が行われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

伝染病予防法で定められた伝染病(感染症)の分類名。1999年(平成11)の伝染病予防法廃止に伴い、この用語は使用されなくなった。

[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 平成一一年(一九九九)に感染症法の制定によって廃止された伝染病予防法により、患者が出た場合、保健所への届出および隔離治療が義務づけられていた伝染病。赤痢(疫痢)・コレラ・腸チフス・パラチフス・ジフテリア・猩紅熱・天然痘・発疹チフス・ペスト・流行性髄膜炎・日本脳炎の一一種。急性灰白髄炎も同様の措置をとるよう指定されていた。感染症法ではさらに広汎な疾患が指定されている。→届出伝染病

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世界大百科事典内の法定伝染病の言及

【感染】より

…しかし厳密には,病原微生物が生体に感染して疾病を起こし,その経過中(潜伏期,回復期,病後を含む),感染生体からの分泌物や排出物とともに病原体が出て,接触または媒介によって他の生体を感染させる場合を伝染といい,とくに伝染力の強い感染症を伝染病と呼んでいる。法定伝染病(コレラ,赤痢,腸チフス,パラチフス,痘瘡(とうそう),発疹チフス,猩紅(しようこう)熱,ジフテリア,流行性脳脊髄膜炎,ペスト,日本脳炎)や麻疹(はしか),百日咳,急性灰白髄炎,水痘,風疹などが好例である。一方,生体が感染症に罹患しても病原体が排出されないか,または排出されても他の生体を感染させにくいものは非伝染性感染症といい,破傷風,虫垂炎,瘭疽(ひようそ),毒素型食中毒などは伝染病とはいわない。…

【コレラ】より

…コレラ菌によって起こる,きわめて伝染力の強い下痢疾患で,法定伝染病の一つ。病原体であるコレラ菌Vibrio commaは欧文のコンマ(読点)状をしたグラム陰性の杆菌で,一端に1本の鞭毛(べんもう)をもち,幅0.5μm,長さ2μmくらいの大きさ。…

【ペスト】より

…当時は予防対策も不十分で,適切な治療法もなく,その激烈な症状ときわめて高い致命率のために,最も恐ろしい伝染病とされた。ペストは今でも日本の法定伝染病の一つに数えられてはいるが,実際には1926年を最後に国内では現在まで患者の発生がまったくみられず,この病気の存在さえもほとんど忘れられようとしている。別名を〈黒死病〉というが,重症になって敗血症をきたすと全身各所に暗紫色の斑点が現れ,皮膚が黒ずんでみえたのでこの名前がつけられた。…

※「法定伝染病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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