アユ(鮎)(読み)アユ

百科事典マイペディア 「アユ(鮎)」の意味・わかりやすい解説

アユ(鮎)【アユ】

アユ科の魚。香気があって味がよいので香魚ともいう。地方名アイ。細長く,全長30cm近くにまで成長する。小さい円鱗におおわれ,脂鰭(あぶらびれ)をもつ。背面は暗緑褐色,腹面は白色。北海道南部〜台湾,中国南部,朝鮮半島に分布。河川の上・中流の瀬や淵(ふち)にすみ,各縄張り内の付着藻類を食べる。10〜11月に中・下流の川底産卵。産卵後の親は死ぬ。孵化(ふか)した稚魚は海に下り,プランクトンを食べて越冬する。翌春3〜5月に川に上る。琵琶湖や本栖湖などにいる陸封型の小型(10cm以下)のものをコアユというが,栄養不足のためで,河川に移すと普通のアユ同様に成長する。人工孵化,放流も各地で盛ん。放流には琵琶湖産コアユや海産の稚アユを用いる。代表的な川釣の対象魚で,友釣,どぶ釣,ころがし,鵜飼(うかい),やななどでとる。近年その資源が枯渇し各地で禁漁期を定めたり移殖放流を行って保護している。→うるか
→関連項目どぶ釣り友釣り

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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