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アルゴル Algol

翻訳|Algol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルゴル
Algol

ペルセウス座β星 (β-Per) の固有名。食変光星 (→食連星 ) の代表。周期 2.867日でスペクトル型 B8 の矮星のまわりをスペクトル型 K0 の矮星が回っている。を起こすと光度は 2.2等から 3.5等に変わる。アルゴルとはアラビア語で悪魔という意味。最初に変光に気づいたのは G.モンタナリで 1670年のことである。 1782年 J.グッドリックはその周期を求め,食変光仮説を提案,1889 年にスペクトルが撮られ,仮説が実証された。のちにもう一つの伴星が 1.87年の周期で遠方を回っていることが知られた。変光曲線の解析から,星の質量はそれぞれ太陽の5倍および1倍,半径は3倍および 3.2倍,1.87年で回っている星の質量は太陽の 1.5倍であることがわかっている。食連星間の距離は約 1000万 km。 (→アルゴル型変光星 )  

アルゴル
ALGOL; algorithmic oriented language

コンピュータのプログラム言語の一つ。数値あるいは記号処理を正確に表現する算法記述向きの言語で,科学技術計算に使われる。フォートランの成功に刺激され,1958年からアメリカ,およびヨーロッパの大学関係者たちのアルゴル委員会によって開発され,60年のパリ会議で発表された。これを ALGOL60という。これはプログラム言語の理論,および翻訳ルーチンなど理論的研究を基礎としているため,プログラム言語一般に大きな影響を与えた。 68年にさらに機能拡張をした ALGOL68が発表された。

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百科事典マイペディアの解説

アルゴル

ペルセウス座のβ星。白色の食変光星で,周期69時間で光度2.2〜3.4等に変化。
→関連項目ペルセウス座

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世界大百科事典 第2版の解説

アルゴル【Algol】

ペルセウス座のβ星。食変光星(食連星)。アルゴルとは,アラビア語のラス・アルグルRa’s al‐Ghūl(悪魔の頭)からきていて,ペルセウスのもつメドゥサの生首に位置している。69時間足らず(2.8673日)の周期で,2.2等から3.4等の変光をしている。主星アルゴルAは,質量が太陽の3.7倍,明るさが120倍,半径が3.0倍である。Aのまわりを約0.2天文単位離れて回っているBは,質量が太陽の0.8倍,明るさが5倍,半径が3.4倍である。

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大辞林 第三版の解説

アルゴル【Algol】

ペルセウス座のベータ星。古くから知られた食変光星。周期的な変光はより暗い伴星による食のため。明るさは2.1~3.4等、変光周期は2.867日。地球からの距離は93光年。

アルゴル【ALGOL】

プログラム言語の一。科学技術計算用に開発されたもので、文法規則の記述が明確。

アルゴル【ALGOL】

〖algorithmic language〗

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルゴル
あるごる
Algol

ペルセウス座のβ(ベータ)星の固有名。有名な食変光星で、アルゴル型食変光星の代表星。名前はアラビア語のアル・グールAl-Ghl(悪魔)に由来。勇士ペルセウスが左手に持つ悪魔メドゥーサ(ゴルゴン三姉妹の一人)の首にあたる部分にある、もっとも明るい恒星。神話で「悪魔の星」といわれるように、この星が変光することは古くから知られていたようであるが、イタリアのモンタナリGeminiano Montanari(1633―1687)は変光を明確に記述し(1667)、イギリスのグドリックJohn Goodricke(1764―1786)は変光が周期的であることをみいだし正確な変光周期を与えた(1782)。最初に発見された食連星。
 2000年の天球上の位置は赤経3時08分10秒、赤緯プラス40度57.3分。毎年11月10日ごろ真夜中に南中する。視差は35.1ミリ秒角で地球からの距離は93光年。固有運動は2.8ミリ秒角/年、視線速度はプラス3.7キロメートル/秒。実視等級は、二つの星がともに見えているとき2.12等、伴星が主星を隠す主極小のとき3.39等、主星が伴星を隠す副極小のとき2.19等と周期2.867日で変光する。明るい主星アルゴルAは、スペクトル型B8で、質量は太陽の3.7倍、半径は2.9倍、表面温度は1万3000K(ケルビン)。この主星の周りを回る伴星アルゴルBは、スペクトル型K2、表面温度は4500K、質量は太陽の0.81倍、半径は3.5倍で臨界ロッシュローブ(連星をつくる二つの星のそれぞれの重力圏)いっぱいに膨れている。半分離系(連星をつくる二つの星の一方が臨界ロッシュローブまで膨れているもので、普通は伴星が膨れているのが観測される)の連星。伴星は主星の中心から984万キロメートル離れて公転している。軌道傾斜角(地球から見た公転軸の傾き)は81.4度。二つの星の大きさは2割しか違わないのに質量は4倍以上違うことや、伴星は準巨星で主系列星の主星より進化しているのに質量は主星より軽いということは、質量が重い星ほど早く進化するという星の進化理論に矛盾しているというので「アルゴル・パラドックス」とよばれた。これは、現在の伴星はかつては大質量で早く進化して膨張し、臨界ロッシュローブからあふれた質量がかつては小質量であった現在の主星に流れ込んだ結果、質量が逆転したと解釈されている。観測によれば、伴星から主星へガス流があり質量は主星へ流入しており、主星の周りには流入したガスの降着円盤(相手の星または周囲からガスが流れ込んで星に降着するときに、星の周りに形成されるガス円盤)ができている。
 アルゴルは電波を放っており、その強さは静かなときは0.01~0.05Jy(ジャンスキー。1Jy=10-26Wm-2Hz-1)で、活動の激しいときには0.34~1Jyに及ぶ。電波は伴星の高緯度地域(北極・南極)の上空のコロナから出ており、電波のフレアもおこっている。またX線も観測されており、軟X線(波長が数オングストローム以上の透過能の小さいX線)の明るさは、明るいときで(1.4~2)×1024Js-1程度である。X線も伴星の高緯度地域の上空のコロナから出ており、強いX線フレアも観測されている。X線観測衛星「チャンドラ」の観測から、コロナでの窒素が炭素に比べて非常に多いことがわかった。これは伴星で過去に水素のCNOサイクルの原子核反応が行われていたことを示唆している。
 アルゴルは実は三重連星で、5等星の第三の星アルゴルCが周期1.86年でアルゴルA、Bの周りを回っている。アルゴルCの質量は太陽の1.5倍ぐらいで、スペクトル型はF1。軌道は離心率が0.23、長半径が2.7天文単位、軌道傾斜角は84度である。[山崎篤磨]
『パトリック・ムーア著、岡崎彰・吉岡一男訳『星・物語――100億光年のかなたから』(1992・丸善)』

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世界大百科事典内のアルゴルの言及

【食変光星】より

…図は代表的な食変光星の明るさの変化を示す。アルゴル型というのは,食を起こしていないときの明るさがほぼ一定のもので,代表星アルゴル(ペルセウス座β星,周期約2.87日)の名をとったものである。周期は数年からわずか1日くらいのものまであり,発見されている食変光星の70%はこの型のものである。…

※「アルゴル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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