デジタル大辞泉
「食」の意味・読み・例文・類語
うか【▽食】
《「うけ(食)」の音変化。複合語として用いる》食物、特に稲のこと。「食の御魂」「食の女」
け【▽食】
《「笥」と同語源》食物。食事。
「―訖りて散れむとするに」〈舒明紀〉
じき【食】
たべもの。食物。
「諸の鬼は人の―を盗みて食ふを役とす」〈今昔・九・三六〉
し【▽食】
たべもの。食物。「一箪の食一瓢の飲」
うけ【▽食】
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しょく【食】
- 〘 名詞 〙
- ① 食物を食べること。食事をとること。また、その食事。
- [初出の実例]「侍二食(ショク)於君一〔郷党篇〕」(出典:文明本節用集(室町中))
- 「ただだんだん食が減って行った」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉濠沿の家)
- [その他の文献]〔論語‐述而〕
- ② 食用に供するもの。たべもの。くいもの。食物。食事。じき。また、餌食(えじき)。
- [初出の実例]「爵我空崇レ品 官誰只備レ員 故人分レ食噉 親族把レ衣湔」(出典:菅家後集(903頃)叙意一百韻)
- 「猛虎深山にある時は、百獣ふるひおづ。檻穽の中にあるに及びて、尾をうごかして食(ショク)(高良本ルビ)を求むとて」(出典:平家物語(13C前)一一)
- [その他の文献]〔論語‐顔淵〕
- ③ 給与として支給される米。扶持米。食祿。秩祿。〔礼記‐坊記〕
- ④ ⇒しょく(蝕)
じき【食】
- 〘 名詞 〙 ( 「じき」は「食」の呉音 )
- ① 食べ物。食物。
- [初出の実例]「僧の食(じき)を乞ふを見、忿(いか)りて繋(つな)がむと欲(おも)ふ」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
- [その他の文献]〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ② 乞食(こじき)、物もらいをいう俗語。
- [初出の実例]「結句して乞食(ジキ)に見事なものがある」(出典:雑俳・湯だらひ(1706))
け【食】
- 〘 名詞 〙 ( 「け(笥)」と同源 ) 食事。飲食物。食物。たべもの。「御食(みけ)」「大御食(おおみけ)」「遠御食(とおみけ)」などと複合して用いられる。
- [初出の実例]「群臣を聚(つど)へて大臣の家に饗(あへ)す。食(ケ)訖りて散(あか)れむとす」(出典:日本書紀(720)舒明即位前(北野本訓))
おしをし【食】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「おす(食)」の連用形の名詞化 )
- ① 飲食すること。食べること。または、飲むこと。食事。
- [初出の実例]「出雲国の五十狭狭(いそささ)の小汀(をはま)に行到(ゆきま)して飯食(みヲシ)せんとす」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
- ② 鷹の餌。
し【食】
- 〘 名詞 〙 たべもの。食物。しょく。
- [初出の実例]「食 シ ショク クヒモノ クラフ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
- [その他の文献]〔論語‐雍也〕
うけ【食】
- 〘 名詞 〙 食物。
- [初出の実例]「宇気者食之義也」(出典:釈日本紀(1274‐1301)六)
うか【食】
- 〘 名詞 〙 食物。特に、稲についていう。「うけ」が他の語と複合する場合の形で用いる。
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食 (しょく)
eclipse
光源天体から観測者までの光の経路のどこかに他の天体が入り込んだために,もし,この入り込みがなければ,当然見えているはずの光源天体あるいは光源天体によって照らし出される天体の一部または全体が見えなくなる現象をいう。食の起り方は二つに分けて考えると便利である。
第1は,遮へい天体のために観測者の視線が遮られて対象天体(図の天体A)が見えなくなる現象で,月が太陽を隠す日食,月が星を隠す星食,内惑星の太陽面通過,連星系の起こす食変光などが例である。この場合,観測者の位置によって対象天体の見え方が異なるのが特徴で,観測者が半影内にあるとき部分食,本影内にあるとき皆既食,偽本影内にあるとき金環食となる。
第2は,光源天体(図の天体A)とこの光源天体の光を受けて輝く天体との間に遮へい天体が入り,そのために対象天体に光が届かなくなる現象で,月が地球の影に入る月食,衛星が主惑星の影に入る食や主惑星に影を落とす現象などが該当する。対象天体が半影および偽本影の中にあるときは輝きは鈍るものの全体が見えるので一般には食といわない。対象天体の一部が本影に入ると部分食となり,全部が本影内に入ると皆既食である。第1の場合との違いは,現象の見え方が観測者の位置によらないことである。なお,半影内における明るさは,本影に接近するにつれて漸減するので,被食天体上における本影と半影の境界は明確に定義できない。
→月食 →日食
執筆者:森 巧
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食
しょく
eclipse
一般に一つの天体が他の天体を覆い隠すこと。普通、日食と月食のことをいい、「蝕」の字も使う。星食(掩蔽(えんぺい))や連星の食の場合もある。連星のなかで食現象をおこすものを食連星という。
多くは食をおこしたときに明るさが変わるが、このような変光星を食変光星という。たとえばアルゴル(ペルセウス座β(ベータ)星)などが有名である。食変光星の変光やスペクトルを観測することは、星の大気の光学的性質を研究するうえで貴重な研究資料を与えてくれる。
[関口直甫]
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食
日本の食文化は、米を主食にして、豆・魚・海草・野菜などを、たっぷり取り入れた食事が特徴で、究極の長寿食として世界中の人々に注目されています。日 本の食文化は古来より大陸から伝わった食文化に、日本の気候風土を取り入れた先人達の智恵によって作られたものです。また、日本の四季と料理にも深い関係 があります。とりわけ、その季節だけに採れる食材を「旬」のものとして調理する技術が発達し、季節ごとの料理を楽しむ事ができます。そして、日本料理は味 だけではなく、見た目の美しさも大切にしています。それは、それぞれに意味を成した盛り付け、それを引き立てる食器など、それぞれの「職人」によって作ら れた技術の集大成という事ができます。日本文化いろは事典では、「食」を「い」特徴、「ろ」起源・歴史、「は」製法・調理法・種類という内容でご紹介しています。
出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報
食
しょく
eclipse
人工衛星やロケットなどの宇宙機が,地球の影に入って,日陰状態になる現象。まれに月の影に入ることもいう。人工衛星は,太陽光の照射を受けて電力を発生させており,食に入ると搭載している蓄電池で電力を補う必要がある。また,太陽光は,衛星の熱バランス (温度状態) を維持する上でも重要な要素である。このように,食は人工衛星,ロケットの設計や運用に重要な影響を与えている。静止衛星では,春分,秋分の時期に,最長約 72分間の食が発生する。放送衛星のように大電力を必要とする衛星では,食期間の運用を制限せざるをえないのが現状である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の食の言及
【カモ(鴨)】より
…繁殖が終了する夏の初めには他の鳥と同様カモ類も換羽するが,このとき雄は雌と同様のじみな羽毛にかわる。これをエクリプスeclipseと呼ぶ。この換羽のときには他の多くの鳥と異なり翼の羽毛まで一度にはえかわるので,換羽は早くすむが一時飛べない時期がある。…
※「食」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」