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アルニム Arnim, Achim von

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルニム
Arnim, Achim von

[生]1781.1.26. ベルリン
[没]1831.1.21. ウィーパースドルフ
ドイツの詩人,小説家,劇作家。本名 Karl Joachim Friedrich Ludwig von Arnim。古い貴族の出身。クレメンス・ブレンターノと親交を結び,その妹ベッティーナと結婚。ブレンターノと協力してドイツの古い民謡,童謡,賛美歌など約 600編を収集した『少年の魔法の角笛』Des Knaben Wunderhorn(1805~08)はグリム兄弟の『子供と家庭の童話』と並んでこの時代の最も大きな成果である。自身の創作活動では詩や戯曲より小説の領域で成功している。長編ではホーエンシュタウフェン王家の再興を目指す秘密結社の苦難を多彩に描いた歴史小説『王冠を守る人々』Die Kronenwächter(2巻,1817,1854),短編ではカルル5世の初恋の相手であるロマの少女を描いた怪奇小説『エジプトのイザベラ』Isabella von Ägypten(1812)などがロマン主義文学の傑作の一つに数えられている。

アルニム
Arnim, Bettina von; Elisabeth

[生]1785.4.4. フランクフルト
[没]1859.1.20. ベルリン
ドイツの女流作家。 C.ブレンターノの妹で,A.アルニムの妻。熱烈にゲーテを崇拝し,若い頃この大詩人とかわした書簡をもとにした小説『ゲーテとある子供との往復書簡』 Goethes Briefwechsel mit einem Kinde (1835) がある。

アルニム
Arnim, Harry, Graf von

[生]1824.10.3. モイツェルフィツ
[没]1881.5.19. ニース
ドイツ,プロシアの外交官。 1850年外交畑に入り,北ドイツ連邦のローマ大使,ドイツ帝国のパリ大使などとして活躍したが,ビスマルクとの政治的対立から 74年逮捕され,その数ヵ月後に投獄された。釈放後,彼の失脚は,ビスマルクの政治的ねたみによるものだという文書を公にしたが,逆に反逆罪,名誉毀損などに問われ,再度逮捕され,獄中で没した。

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デジタル大辞泉の解説

アルニム(Ludwig Achim von Arnim)

[1781~1831]ドイツの詩人・小説家・劇作家。後期ロマン派を代表。ブレンターノ共編で民謡集「少年の魔法の角笛」を刊行。

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百科事典マイペディアの解説

アルニム

ドイツ後期ロマン派の詩人。ベルリンの貴族の出で,終生の親友C.ブレンターノとともに収集した民謡集《少年の魔法の角笛》(1806年―1808年)によって民族の遺産への国民的自覚を促し,グリム兄弟の民話収集に刺激を与えた。

アルニム

ドイツ後期ロマン派の女性作家。C.ブレンターノの妹で,A.v.アルニムの妻。ゲーテへの異常なまでの敬愛と興味から生まれた書簡小説《ゲーテと一少女の文通》がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

アルニム【Achim von Arnim】

1781‐1831
ドイツ後期ロマン派の小説家,詩人,劇作家。ベルリンの貴族の息子で,保守的心情とロマンティックで空想的な感情の融合した作風を示した。ドイツ古歌謡集《少年の魔法の角笛》(1806‐08)をC.ブレンターノと共編し,またロマン派機関紙《隠者新聞》を発行(1808)。1811年,ブレンターノの妹ベッティーナ(B.vonアルニム)と結婚。愛国的歴史小説《王冠の監守人》(1817‐,未完)や男女間の問題を扱った小説《ドローレス伯爵夫人の貧と富と罪と贖い》(1810)などが有名。

アルニム【Bettina von Arnim】

1785‐1859
ドイツ後期ロマン派の女流作家で,情熱的な才媛。C.ブレンターノの妹で,A.vonアルニムの妻となった。現実の文通に奔放な空想を織りまぜて作品化した。中でも《ゲーテと一少女の文通》(1835),自殺した女流詩人を記念する《ギュンデローデ》(1840),亡兄をしのぶ《ブレンターノの春の花輪》(1844)が有名。晩年は民主社会主義的傾向を強め,《この書を王に》(1843)などの政治的文書を発表した。【宮原 朗】

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大辞林 第三版の解説

アルニム【Arnim】

〔Achim von A.〕 (1781~1831) ドイツの後期ロマン派の詩人。ブレンターノと民謡集「少年の魔法の角笛」を共編。
〔Bettina(Anna Elisabeth)von A.〕 (1785~1859) ドイツの後期ロマン派の作家。ブレンターノの妹。の妻。ゲーテを敬愛し、その思い出を書簡体小説「ゲーテとある子供との往復書簡」にまとめた。

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世界大百科事典内のアルニムの言及

【児童文学】より


[ドイツ]
 ドイツではJ.B.バゼドーの主唱に呼応してコンペJ.H.Compeが1776年に《小さな子ども文庫》を出したのがはじめで,ややおくれてG.A.ビュルガーが1786年にラスペR.E.Raspeの作に手を入れた《ミュンヒハウゼン男爵の冒険(ミュンヒハウゼン物語)》をあらわし,ゲーテにつづくロマン派の人々が,民話の収集にあたっている。その所産がブレンターノとA.vonアルニムの《少年の魔笛》であり,グリム兄弟の《子どもと家庭のための昔話集》であった。ベヒシュタインL.Bechsteinの《ドイツ童話の本》(1844)がそれにつづく。…

【少年の魔法の角笛】より

…ドイツの民謡・歌謡集(3巻,1806‐08)。ハイデルベルクにおいてA.vonアルニムC.ブレンターノが協力して,古来の民謡や民謡風歌謡類約600編を収集編纂した。ナポレオンの支配下にある自国民に,民族の独自性と誇りを自覚させようとの願いがこめられていた。…

※「アルニム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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