ドイツの民謡・歌謡集(3巻,1806-08)。ハイデルベルクにおいてA.vonアルニムとC.ブレンターノが協力して,古来の民謡や民謡風歌謡類約600編を収集編纂した。ナポレオンの支配下にある自国民に,民族の独自性と誇りを自覚させようとの願いがこめられていた。グリム兄弟の童話収集と並んでドイツ民族の文化遺産の宝庫であり,後期ロマン派の最大の功績に属する。収集の際には原形保存を至上とせず,多くの歌謡を改作・補筆し,さらには自作のものまで加えたが,両人の文学的目標は,芸術詩と大衆詩という二極分裂の現状を克服し,民族の生命みなぎる新しい詩を生むことにあった。その意図はアイヒェンドルフ,メーリケからハイネ,シュトルムに至る民謡調抒情詩にみごとに結実した。さらにこの中の多くの民謡がシューマン,ブラームス,H.ウォルフ,マーラー等により作曲されて,愛唱されている。
執筆者:宮原 朗
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