アルビ(英語表記)Albi

デジタル大辞泉 「アルビ」の意味・読み・例文・類語

アルビ(Albi)

フランス南部、タルヌ県の都市同県県都で、タルヌ川沿いに位置する。中世織物業・皮革業・藍染料の交易発展。10世紀に築造されたタルヌ川に架かる赤れんがの橋や、13世紀から15世紀にかけて建造されたゴシック式サントセシル大聖堂がある。画家ロートレック生地

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルビ」の意味・わかりやすい解説

アルビ
Albi

フランス南部,タルン県の県都。タルン川マシフサントラルから平野に出る谷口に位置する。ガロ・ローマ時代からの重要な都市で,12世紀にはキリスト教異端の一派であるアルビ派の根拠地となる。建築史上有名な中世ゴシック建築で煉瓦造りの聖セシル大聖堂(1277~1512)をはじめ,9世紀の古橋であるビュー橋,13世紀に大司教の宮殿だった美しい赤煉瓦のベルビー宮などがみられる。ベルビー宮は現在は美術館になっており,アルビ出身の画家トゥールーズ=ロートレックの作品が展示されている(→トゥールーズ=ロートレック美術館)。これらはアルビの司教都市として 2010年,世界遺産の文化遺産に登録された。タルン川峡谷探訪の基地としても観光は重要な産業である。またセメント染物,ガラスなどの工業もあり,商業の中心地となっている。人口 4万8100(2005推計)。

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改訂新版 世界大百科事典 「アルビ」の意味・わかりやすい解説

アルビ
Albi

フランス南部,タルン県の県都。大司教座所在地。人口4万9000(1990)。中央高地からガロンヌ流域平原に流れこむタルン川に沿った町。ローマ時代以来の歴史をもつが,12~13世紀に南フランス全域に広がったキリスト教異端カタリ派アルビジョア派)の中心地のひとつとして知られる。旧市街に残るサント・セシル大聖堂(13~16世紀)は南方ゴシック建築の代表。画家ロートレックの生地で,その美術館がある。現在は,中世以来の交易都市としての機能のほかに,ラック天然ガスを利用した工業も興っている。
アルビジョア十字軍
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルビ」の意味・わかりやすい解説

アルビ
あるび
Albi

フランス南部、タルン県の県都。マッシフ・サントラル(中央群山)とアキテーヌ盆地の接触地帯にある。人口4万6274(1999)。中世以来の商業都市であるが、現在は行政、宗教、商業、工業(火力発電所、製鉄業繊維工業、ガラス工業など)、観光の中心である。ゴシック様式のサント・セシル大聖堂は有名。画家ロートレックの生誕地で、市内にロートレック美術館がある。町は赤れんがの家並みで美しいことでも知られる。

[青木伸好]

 宗教建築や町並みは、2010年「アルビ司教都市」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録されている。

[編集部]

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