アルムクビスト

  • 1793―1866
  • Carl Jonas Love Almqvist
  • アルムクビスト Almqvist, E.

百科事典マイペディアの解説

スウェーデンの作家農村にあこがれ農民と結婚したが,都会に戻って新聞記者,高等学校長などとして活動。老人を毒殺した嫌疑で米国へ逃亡,最後はブレーメンで死ぬという波瀾(はらん)に満ちた生涯の間に,怪奇空想小説《アモリーナ》(1822年),歴史小説《女王宝石》などを書いた。作風は神秘的ロマン主義

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世界大百科事典 第2版の解説

1793‐1866
スウェーデンの作家。ウプサラ大学に学ぶ。ストックホルムで公務員となった後,理想の農民生活を田園に求めたが挫折,作家生活に入る。奔放な空想にみちた小説《アモリーナ》(1823年に完成,書き改めて39年に出版)をはじめ,革新的なロマン主義運動の旗手として,詩,評論ふるい,主要作品は《野ばらの書》(1833‐51)にまとめられている。グスタブ3世の宮廷舞姫を配した華麗な小説《女王の宝石》(1834)の後,一転してルソーの〈自然に返れ〉の思潮基盤に,素朴な農民生活を主題に《会堂》(1838)ほかの写実的な作品を書く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スウェーデンの作家。11月28日ストックホルムで生まれる。ウプサラ大学卒業後公務員、2年間の農民生活ののち、作家活動に入る。怪奇、奔放な空想に満ちた小説『アモリーナ』(1823年完成。書き改めて1839年出版)をはじめ、多作、多彩な彼は『野ばらの書』(1833~1851)にみられるように、詩、劇、評論に健筆を振るい、革新的なロマン主義運動の旗手と目された。グスタフ3世王朝の舞姫を配した華麗な小説『女王の宝石』(1834)ののちは、一転して、ルソー風の「自然に帰れ」の思潮を基盤として、素朴な農民生活に取材した『会堂』(1838)ほかの写実的な作品を書いた。『それでよい』(1839)には、結婚は愛と理解に基づく個人の問題で、国家、教会が介入する余地はないとの主張を盛って、周囲のひんしゅくを買った。そのうえ文書偽造、毒殺未遂の容疑で1851年アメリカへ逃れ、各地を放浪ののち、ヨーロッパへの帰途、1866年9月26日、ドイツのブレーメンで死去。彼の作風の変貌(へんぼう)の激しさは、彼の生きた時代が一種の過渡期であったためでもあろうが、なによりも彼自身矛盾に満ちた振幅の激しい性格の持ち主であったことによる。その生涯はスウェーデン文学史上もっとも謎(なぞ)に満ちたものとされている。

[田中三千夫]

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