日本大百科全書(ニッポニカ)「アレルギーマーチ」の解説
アレルギーマーチ
あれるぎーまーち
乳児期から成長するにつれて、次々に異なるアレルギー疾患が連鎖的に現れる現象。原因と発症臓器を異にして、次から次へとアレルギーが出現するようすから、日本の小児科医馬場実によってマーチ(アレルギーの行進)の名が提唱された。遺伝的アレルギー体質(アトピー体質)の子供にみられることが多く、乳児期のアトピー性皮膚炎、湿疹(しっしん)などや、腹痛・下痢および便秘などの症状から始まり、幼児期、学童期、思春期へと成長するにしたがい、気管支喘息(ぜんそく)や花粉症、アレルギー性鼻炎などの多種多様なアレルギー疾患を発症していく。乳児期には牛乳や卵などがアレルギーの原因(アレルゲン)となることが多いが、年齢とともに感作(かんさ)するアレルゲンに応じて中心となるアレルギー症状も変化していく。思春期ころから成人に近づくにつれて、しだいにアレルギー症状はみられなくなることが多いが、人によっては喘息などの症状が持続する場合もある。
[編集部 2017年4月18日]
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