アンペア(読み)あんぺあ(その他表記)ampere

翻訳|ampere

デジタル大辞泉 「アンペア」の意味・読み・例文・類語

アンペア(ampere)

国際単位系SI)の基本単位の一で、電流の強さの単位。1アンペアは、1秒間に電気素量の1/(1.602176634×10-19)倍の電荷が流れることに相当する電流として定義される。名称は物理学者アンペールにちなむ。記号A
[補説]1アンペアは、かつて真空中に1メートルの間隔平行に置いた、無限に長い2本の導線に等しい電流を流したとき、導線1メートルごとに2×10-7ニュートンの力が働くときの電流の強さとして定義されたが、2019年5月20日以降は、物理定数電気素量を用いた新定義が適用された。

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精選版 日本国語大辞典 「アンペア」の意味・読み・例文・類語

アンペア

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] ampere ) MKSA単位系および実用単位における電流の大きさの単位。記号A。一アンペアは、一ボルト電位差を持つ二点を一オーム抵抗で結んだ時に流れる電流の大きさをいう。フランスの物理学者アンペール(Ampère)の名にちなむ。〔舶来語便覧(1912)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンペア」の意味・わかりやすい解説

アンペア
あんぺあ
ampere

国際単位系(SI)の電流の単位で、基本単位の一つである。記号はAで表す。現在の定義は「真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた、無限に小さい円形断面積を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1メートルごとに力の大きさが1000万分の2ニュートンの力を及ぼし合う不変の電流」とされている。この定義は1948年(昭和23)の第9回国際度量衡総会で決められたものであるが、それ以前は、「硝酸銀水溶液を通過し、毎秒0.00111800グラムの銀を分離する不変電流」と定義されていた。これは1908年に国際電気標準会議で定められたもので、これを国際アンペアといい、現在の定義のものを絶対アンペアという。両者の間の関係は
  1国際アンペア=0.99995絶対アンペア
である。

 アンペアの値は電流天秤(てんびん)によって正確に測ることが可能であるが、実際には電圧と電気抵抗の値、すなわちボルトとオームから、オームの法則によって計算される。

 日本では1966年(昭和41)電気測定法が計量法に統合されるまで国際アンペアを用いていた。なお、アンペアの名称はフランスの物理学者アンペールの業績にちなんでいる。

 アンペアはまた起磁力の単位にも用いられる。この場合の定義は「1回巻きの閉回路に1アンペアの不変の電流が流れるときに生ずる起磁力」とされている。なお、起磁力の単位のアンペアを、電流の単位のアンペアととくに区別する必要があるときは、アンペア回数ampere turnという。

[小泉袈裟勝・今井秀孝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンペア」の意味・わかりやすい解説

アンペア
ampere

電流SI基本単位。記号は A。電磁気量の基本的な実用単位で,SIの七つの基本単位の一つに採用されている重要な単位である。2018年の国際度量衡総会(→国際度量衡委員会)で,電気素量 e を 1.602176634×10-19Cと定めることで設定される,と定義された。単位名はアンドレマリアンペールの名にちなむ。それまでの定義は,1948年の国際度量衡総会において,アンペールの法則に基づき,「1Aは,真空中に 1mの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形断面積を有する無限に長い 2本の直線状導体のそれぞれを流れ,これらの導体の長さ 1mごとに 2×10-7N の力を及ぼし合う一定の電流である」と定められていた。この定義に基づくアンペアは,SIに採択される 1960年までは絶対アンペアと呼ばれた。一方,1948年以前は国際アンペアが用いられていた。

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改訂新版 世界大百科事典 「アンペア」の意味・わかりやすい解説

アンペア
ampere

国際単位系(SI)の基本単位の一つで,電流の単位。フランスの物理学者A.M.アンペールにちなんで名付けられ,記号はA。アンペアは,真空中に1mの間隔で平行に置かれた無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ,これらの導体の長さ1mごとに力の大きさが2×10⁻7Nの力を及ぼし合う不変の電流と定義されている。この表現は真空の透磁率μ0をSIで表した場合,μ0=4π×10⁻7H/mとしたものと同一である。単位の大きさは,電流ばかりを用いる絶対測定および他の物理定数の組合せによって実現される。アンペアは,磁位,磁位差,起磁力,電流鎖交数の単位としても使用される。
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百科事典マイペディア 「アンペア」の意味・わかりやすい解説

アンペア

電流のSI(国際単位系)基本単位。記号A。A.アンペールに由来。面積が無視できる円形断面の無限に長い直線導体2本を真空中で1m間隔で平行に並べて電流を通じるとき,導体の長さ1mごとに2×10(-/)7ニュートンの力を及ぼし合う電流の大きさ。1アンペア=1/10CGS電磁単位(CGS単位系)。→アンペア時
→関連項目国際単位電流

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知恵蔵 「アンペア」の解説

アンペア

電流の単位で、SIの基本単位の1つ。1948年の国際度量衡総会の決議による定義では「アンペアは、真空中に1 mの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形断面積を有する、無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1 mごとに500万分の1ニュートン(N)の力を及ぼし合う一定の電流である」。国際電気単位は1893年にシカゴで開かれた国際電気会議によって初めて導入され、国際アンペアの定義が1908年に決められたが、その後、電気単位をメートル法の単位と関係付けて定めることが33年の国際度量衡総会で決議され、今日の定義に至った。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

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電気・電力用語 「アンペア」の解説

アンペア

アンペアは電流の大きさを表す単位で「A」と書きます。1秒間に流れる電気の量です。アンペアという単位の名前はフランスの電気学者アンペール(1775~1836)からとったものです。
電流の大きさは電圧に比例し、抵抗に反比例します。

     電圧(V)
電流(A)=────
     抵抗(Ω)

この電流と電圧、抵抗の関係をオームの法則といい、電気の基本法則になっています。

出典 東京電力ホームページ電気・電力用語について 情報

化学辞典 第2版 「アンペア」の解説

アンペア
アンペア
ampere

電流の単位.記号 A.国際単位系(SI単位)の基本単位の一つ.真空中に1 m 隔てて平行におかれた,断面積が無視できるほど小さい無限に長い2本の導体に電流を通じたとき,両者の間に,長さ1 m につき2×10-7 N の力を作用させるような電流と定義されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

単位名がわかる辞典 「アンペア」の解説

アンペア【ampere】

電流の国際単位。記号は「A」。1Aは、真空中で1mの間隔におかれた2本の平行導線が、長さ1mごとに2×10-7ニュートンの力で引き合うときに導線に流れる電流の強さ。1.5Vの乾電池の両極を、その間に1.5オームの抵抗を入れてつないだときに流れる電流が1Aである。◇名称は、フランスの物理学者アンペールにちなむ。

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栄養・生化学辞典 「アンペア」の解説

アンペア

 電流の単位.

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