アーベル(Othenio Abel)(読み)あーべる(英語表記)Othenio Abel

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アーベル(Othenio Abel)
あーべる
Othenio Abel
(1875―1946)

オーストリアの古生物学者。ウィーン生まれ。ウィーン大学を卒業し、母校やゲッティンゲン大学で古生物学の教鞭(きょうべん)をとった。『脊椎動物古生物学綱要(せきついどうぶつこせいぶつがくこうよう)』Grundzüge der Paläeobiologie der Wirbeltiere(1912)をはじめ多くの重要な著書を残した。とくに鳥類やウマ、ゾウなどの系統進化を研究し、適応や段階系列などについての考えを公表した。古生物の形態・形質と環境との関係に注目し、器官の退行的な特殊化を下向進化catagenesisとよび、上向進化anagenesisに対立させた。また化石貝類や骨の奇型・病型などにも注目し、『過去の生物の痕跡(こんせき)』Vorzeitliche Lebensspüren(1935)によって、初めて生痕化石の古生態復原への意義を指摘し、生痕学ichnologyの体系化を試みた。

[大森昌衛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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