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インフルエンザ脳症 インフルエンザノウショウ

デジタル大辞泉の解説

インフルエンザ‐のうしょう〔‐ナウシヤウ〕【インフルエンザ脳症】

インフルエンザをきっかけとして脳にむくみが生じる病気。6歳以下の幼児に多い。発熱に続き、痙攣(けいれん)・意識障害・異常行動などの症状がみられる。致死性があり、治癒しても後遺症が残ることもある。インフルエンザ脳炎。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

家庭医学館の解説

いんふるえんざのうしょう【インフルエンザ脳症】

 インフルエンザにともなう重篤(じゅうとく)な合併症急性脳症(コラム「急性脳症」)の一種です。
 インフルエンザ感染による発熱後、数時間から1日で発症、中枢神経(ちゅうすうしんけい)が急速に侵されます。発症初期の特徴的な症状として、異常言動、行動があげられます。いない人をいると言ったり、両親がわからなかったり、自分の手をかじろうとする、などの異常な行動が見られた場合は、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。同時によく見られる症状には、手足のつっぱりやけいれん、意識がぼんやりして反応が鈍い、あるいは反応がない、などがあります。
 1歳をピークに乳幼児期の発症例が多く、5歳以下が全症例の80%を占めます。年間100~300人ほどが発症、10~30%が死亡、約25%に知能障害、身体障害などの重い後遺症が残ると言われています。
 原因はよくわかっていませんが、非ステロイド系解熱鎮痛薬の投与が発症に関与しているのではとの指摘があります。非ステロイド系解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)とはサリチル酸製剤(アスピリン、サリチルアミドなど)、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸、イブプロフェン、フルビプロフェン、インドメタシンなどですが、子どもがインフルエンザと医師の診断を受けた場合、解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)としては普通アセトアミノフェンが処方され、非ステロイド系解熱鎮痛薬は原則として使用されません。しかし市販薬を使う場合には注意が必要です。例えばサリチル酸製剤は、バファリンを始め多くの頭痛薬、鎮痛薬に配合されています(小児用バファリンはアセトアミノフェン)し、市販の総合感冒薬には、さまざまな症状に対応するよう多種類の成分が配合されています。
 インフルエンザが疑われる症状、特に子どもの場合は、安易に市販のかぜ薬を服用することは危険です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

知恵蔵miniの解説

インフルエンザ脳症

インフルエンザウイルス感染に伴う合併症の一つで、脳に障害をもたらす疾患。主に5歳以下の幼児に発症する。インフルエンザによる発熱後、多くは数時間から1日以内に、けいれん、意識障害、異常行動などの神経症状が現れ、急速に進行する。致死率が高く、治癒しても知的障害やてんかんなどの後遺症が残ることもある。近年、非ステロイド系解熱鎮痛薬の投与がインフルエンザ脳症の発症や重症化に影響している可能性のあることが厚生労働省の調査によって明らかにされ、同省が脳症患者への治療に同剤を使わないよう医療機関などに指導を行っている。現時点で有効な治療法は確立されていないが、タミフルリレンザなど抗インフルエンザ薬の服用のほか、脳低体温療法やステロイドの大量投与などが行われている。

(2015-1-22)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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