ウォード(Frederick Townsend Ward)(読み)うぉーど(英語表記)Frederick Townsend Ward

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウォード(Frederick Townsend Ward)
うぉーど
Frederick Townsend Ward
(1831―1862)

アメリカの冒険家。漢名華爾(かじ)。マサチューセッツ州セーレムの人。1846年船乗りとして中国に渡り、49年にはバーモント州の陸軍学校を中退。以後58年まで冒険を求めて世界を放浪、59年秋再度中国に渡った。60年5月上海(シャンハイ)の大商人楊坊(ようぼう)らと謀って外人雇兵隊を組織し、太平天国の一城市をとるごとに最高総額13万3000ドルの償金を受け取る契約を結んだ。これが洋槍(ようそう)隊(後の常勝軍)で、60年7月松江を落としてここを本拠地とし、上海周辺で太平軍と死闘を続けた。62年2月楊坊の娘唱美と結婚。同年9月慈谿(じけい)(浙江(せっこう)省)の戦役で陣頭指揮中に戦死した。

[三石善吉]

『J・スペンス著、三石善吉訳『中国を変えた西洋人顧問』(1975・講談社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android