翻訳|urethane
ウレタン結合と呼ばれる化学結合を持つプラスチックの総称。原料の配合などを変えることで塗料、接着剤などに分類される。硬質ウレタンフォームはプラスチックの発泡体で高い断熱性がある。吹き付ければ、複雑な構造でも隙間なく断熱層を作ることができ、水筒や冷蔵庫から住宅、オフィスビル、漁船など広く用いられている。ただ、むき出しの状態で、近くで溶接作業をしてしまい、可燃性のガスが発生したり、引火したりして火災が発生するケースが後を絶たない。
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広義にはカルバミン酸エステルH2NCOORおよびそのN-置換体R′NHCOORの総称であり,カルバメートcarbamateともいう。遊離のカルバミン酸は不安定で存在しないが,エステルになると安定である。ふつうクロロギ(蟻)酸エステルとアンモニアまたは第一アミンとの反応によって生成する。また,イソシアン酸エステルとアルコールやフェノールとの反応でも合成できる。
一般に結晶性がよく,鎮静・催眠作用をもつものが多い。
ふつう,ウレタンといわれているものは,狭義のカルバミン酸エチルエステルH2NCOOC2H5のことで,フランスの化学者デュマの命名による。すなわちurethaneはur(ouron=尿)+ethyl+aneを合成したもの。融点48.2℃,沸点184℃。ベンゼン,クロロホルムに可溶,リグロインには難溶。水溶液は中性であるが,130℃に加熱すると尿素NH2CONH2になり,アルカリの作用で二酸化炭素,アルコール,アンモニアを生じる。クロロ炭酸エチルにアンモニアを作用させるか,尿素やカルバミン酸の酸塩化物にアンモニアを反応させて合成する。催眠作用は小さい。
執筆者:井畑 敏一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
カルバミン酸エステルH2NCOORおよびそのN-置換体の総称の場合と、狭義にはカルバミン酸エチルをいう場合とがある。遊離のカルバミン酸H2NCOOHは実在しないが、そのエステルは安定な化合物として存在する。アルコールあるいはフェノールにクロロシアン、塩化カルバモイルあるいは尿素を反応させて得られる。白色の結晶体で、アルカリの作用でアルコール、二酸化炭素およびアンモニアに分解する。
カルバミン酸エチルはエチルウレタンともいう。白色の柱状結晶。エタノール(エチルアルコール)と尿素とを加熱するか、炭酸ジエチルあるいはクロロ炭酸エチルにアンモニアを作用させてつくる。水、アルコール、クロロホルムに易溶、エーテルに可溶。催眠作用があるが、習慣性が強いため、現在では催眠薬としては用いられていない。細胞分裂を抑制する作用があり、抗腫瘍剤(こうしゅようざい)として使用される。また殺虫剤、動物用麻酔剤としても用いられる。
[山本 学]
ウレタン
カルバミン酸エチル
分子式 C3H7NO2
分子量 89.09
融点 48.2℃
沸点 184℃
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
カルバミン酸エステルH2NCOOR,およびそのN-置換誘導体の総称.狭義には,カルバミン酸エチルをさす.イソシアン酸エステルへのアルコールの付加,塩化カルバモイルとアルコールとの縮合,クロロギ酸エステルとアミン類との反応などによってつくる.一般に結晶性がよく,アルコール類の同定にも利用され,鎮静,催眠,そのほかの作用がある.カルバミン酸エチルは融点49 ℃,沸点184 ℃.昇華性がある.溶剤,合成中間体などに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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