翻訳|worsted
梳毛糸(そもうし)で織った毛織物。毛織物を大別すると,この梳毛織物と,紡毛糸で織った紡毛織物(ウールンwoollen)とに分けられる。梳毛は1インチ(2.54cm)以上の長い繊維で,長さ太さの均等な上質の羊毛を使用。短い繊維を省き,撚りをかけて糸にし,番手の細いものを使用して平織,綾織,繻子織などにする。毛織物としては表面が滑らかで,平たくさらりとした風合いをもつ。薄手ながら緻密に織られているため,弾力と張りがあるのが特徴。サージ,ギャバジン,ドスキンなどがこれにはいる。背広服,女物スーツ,学生服などに適している。イギリス,ノーフォーク州の地名ウースタドWorsteadにもとづいて呼ばれる。
→毛織物
執筆者:船戸 道子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
イギリス、ノーフォーク県にある地名からとり、ここで始められた毛織物をさしたが、いまは主として男子服に用いられる梳毛(そもう)織物をいう。梳毛織物、毛織物服地の名称としてウーステッドというのは、羊毛の長い部分を使って紡績し、緻密(ちみつ)に織られたもので、仕上げは毛羽(けば)をとり、柄(がら)をはっきりさせるのが普通である。一般に薄地、中肉、厚地の3種に大別される。組織は杉綾(すぎあや)、斜文(しゃもん)、変り織などにより、無地および縞(しま)、格子、霜降りなどに先染めにしたものが多く、ヘアライン、ヘリンボーン、ピンヘッドなど、さまざまの組織や柄があるが、主として春、夏、秋の背広地に多く使われ、婦人服では男仕立てのスーツに用いられることが多い。
[角山幸洋]
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…17世紀にはイギリス,オランダの船舶が地中海へ進出し,イタリアやカタルニャの船をしのぐようになった。とくにイギリスは東・中央ヨーロッパへの毛織物輸出の不振を挽回(ばんかい)するべく,薄手毛織物(ウーステッド)を生産し,これをトルコ市場へと大量に売り込むことに成功した。また,イギリスの東インド会社,オランダの東インド会社による植民地経営によって,アジアの特産品が直接西ヨーロッパにもたらされるようになり,レバント貿易はその役割を終えることになった。…
※「ウーステッド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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