エッシャー(英語表記)Escher, George Arnold

大辞林 第三版の解説

エッシャー【Maurice Escher】

1898~1972) オランダの版画家。位相幾何学的な幻想を細密に表現する独特の作風で、木版画・リトグラフを制作。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エッシャー
Escher, M.C.

[生]1898.6.17. レーワルデン
[没]1972.3.27. ラーレン
オランダの画家。フルネーム Maurits Cornelis Escher。不可思議な視覚的,概念的効果(→錯視)を生じさせる精緻な幾何学的趣向の強い版画作品で知られる。1919~22年,ハールレムの建築・装飾美術学校で学び,図形への関心を深め,おもに木版画を手がけた。何年にもわたってヨーロッパ各地を旅しながらスケッチを描き,1922年から 1935年まではイタリアで暮らし,その後,スイスとベルギーに移り住んだ。この時期からの版画やデッサンには,重なり合い相互に矛盾する投射図法(透視図法)が用いられ,風景や自然の形態が幻想的な手法で描かれるようになった。スタイルを確立したのは 1937年以降で,細密なリアリズムと不可思議な視覚的錯覚を組み合わせた一連の版画作品を発表。リトグラフ,木版を用い,高度な技術を駆使して,三次元ではあり得ない空間や,あるものからほかのものへの思いがけない変化を描き出した。エッシャーの作品は数学認知心理学の観点からも関心を集めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エッシャー
えっしゃー
Maurits Cornelis Escher
(1898―1972)

オランダのグラフィック・アーチスト。レーウワルデン生まれ。1919年ハーレムの建築装飾美術学校建築科に入学、数か月後グラフィック科に移り同科を卒業。22~35年イタリアに滞在、各地を旅行する。35~36年スイスに居住。36年スペイン旅行、アルハンブラ宮殿やモスクのイスラム・モザイクに刺激を受ける。41年祖国のバールンに定住、従来の風景的事物画に決別して、「数学的画像」とよばれるエッシャー独特の世界、空間と平面の魔術的構造を木版画とリトグラフで制作し始めた。50年ごろから一部に認められ、68年ハーグ市立美術館の回顧展で彼の名は国際的となった。72年高齢芸術家の共同住宅、ローザ・スピア・ホームで死去。[野村太郎]

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