カルダモン(英語表記)Elettaria cardamomum

  • Elettaria cardamomum Maton
  • cardamon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ショウガ科の多年草ショウズク (小豆く) ともいう。インドのマラバール海岸の原産といわれ,生薬として,インド,スリランカグアテマラなどで広く栽培されている。高さ 3mほどになり,葉は披針形で,全草ミョウガに似ている。花は別に出る花茎上に数花ずつ集ってつく。白色花で唇弁の周囲は黄色,中央は青色で白い筋がある。 蒴果は2~3mmの三角柱状で独特な芳香があり,カルダモン cardamonと呼ばれる。成熟した 蒴果には,ユーカリプトール,テルピネオール,シネオールなどの精油を含み,種子とともに,健胃剤,風邪薬などに用いる。また,食品調味料,薬用シロップの香料としても利用される。同種の生薬として,セイロンカルダモン,ビャクズク,シュクシャなどがある。

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百科事典マイペディアの解説

ショウズクとも。インド,スリランカ原産のショウガ科の多年草。草丈は2〜3mにも達する。果実は長さ約2cmの卵形あるいは長楕円形をしており,その中に稜角のある黒褐色の種子が12〜20個入っている。種子はカレー,肉料理,魚料理などにスパイスとして使われるほか,デンマーク風菓子のフレーバーとして用いられる。また防腐効果や薬効が古くから知られ,健胃剤,駆風剤などとしても用いられる。カルダモンオイルは乾燥完熟果実の水蒸気蒸留によって製造され,スパイス,香料として利用される。

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食の医学館の解説

カルダモンは、世界でもっとも古いスパイスの1つです。別名「香りの王様」と呼ばれ、サフラン、バニラに次ぐ、高価なスパイスとしても知られています。
 アラブ諸国では、暑い日に体の熱をとるスパイスとして人気があります。
 一方、正反対に寒い北欧諸国でも、カルダモンの人気が高いのはおもしろいところです。
 カルダモンには健胃、整腸、駆風(くふう)(腸管内にたまったガスの排除)といった作用があることから、胃弱、消化不良、腹部膨満などに効果的です。
 また、高い消臭作用があるので、種子を口に含むだけで口臭防止、とくにニンニク臭やアルコール臭を抑える高い効果があります。
○食品としての使い方
 カルダモンにはシャープでさわやかな芳香と、心地よい刺激性があります。その用途は広く、カレー粉の主原料となるほか、肉料理、魚料理、ドレッシング、ピクルスなどの風味付けにも好適。
 プリンやパイ、ゼリーなどのお菓子にもよく用いられます。外側の皮につめで裂け目を入れてから煮込むと、香りがよくでます。
 また、アラブ諸国では、カルダモンの風味をつけたコーヒーが、客のもてなしに欠かせません。シナモン、クローブなどといっしょにミルクティーに入れて煮出し、マサラティーとして利用すると香りが楽しめます。

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世界大百科事典 第2版の解説

ショウガ科の多年草(イラスト)。ショウズク(小豆蒄)ともいう。インド南部マラバル地方の原産で,種子を香気料とし,南インド,スリランカ,マレーシア,グアテマラに栽培が多い。カンナに似た草姿で,地下に厚して木質化した地下茎がある。数本ないし数十本の葉鞘(ようしよう)がまき重なった偽茎が立ち,次々と葉を出して高さ3mになる。葉は披針形で,長さ30~100cm,幅7.5~15cm。地下茎から長さ60~90cmの花茎を出し,円錐花序にショウガに似た白色の花をつける。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ショウガ科(APG分類:ショウガ科)の多年草。和名ショウズク(小豆蔲)。インドのマラバル地方原産。大きな葉を出して高さ2メートルに茂る。花茎は短く、地際から出て横にはう。インドでは4~7月に開花する。果実は秋に実り、広卵形、灰黄色の蒴果(さくか)で、長さ約2センチメートル、中に3ミリメートルほどの種子が10~20個入っている。インドやスリランカが古くからの産地で、いまは熱帯各地で栽培され、中央アメリカではグアテマラが産地として有名である。

[星川清親 2019年6月18日]

食品

果実を乾燥させ、その中の黒褐色の種子を取り出すと、強い樟脳(しょうのう)に似た芳香と、辛味とほろ苦味がする。これが香辛料のカルダモンである。サフラン、バニラに次ぐ高価な香辛料で、芳香性のある刺激はコーヒーの香味に似るので、デミタスコーヒー、カルダモンコーヒーなどに用いられる。また、スパニッシュメロンにふりかけると秀逸な味となり、カレー粉の主香としても非常に多く使われる。各種のソース、ピクルス、ミートローフ、ペーストリー、アップルパイ、洋酒などにも使われる。

[齋藤 浩 2019年6月18日]

薬用

蒴果は小豆蔲(しょうずく)の名称で取引されるが、使用するときは薄い果皮を除去して、中の種子を砕いて用いる。精油を含有しているので砕くと強い芳香と辛味を生じ、健胃、駆風剤として消化不良、胃アトニー、腹痛、下痢などの治療に用いる。ショウガ科の種子はカルダモンと同様に用いられるものが多く、益智(やくち)、縮砂(しゅくしゃ)、草果(そうか)、白豆蔲(びゃくずく)などがある。

[長沢元夫 2019年6月18日]


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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (cardamon) ショウガ科の多年草。インド原産。高さ約二~三メートル。葉は大形の披針形で、長さ一メートル、幅一〇センチメートルぐらい。花は長さ八〇センチメートルにもなる円錐花序。苞葉に包まれ、白色で唇弁は藍色、縁は黄色を帯び、三裂する。果実は球形の蒴果で径約二センチメートル。種子は揮発性油を含み、香辛料や健胃薬になる。しょうずく。しろずく。びゃくずく。

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