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カーネマン Kahneman,Daniel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カーネマン
Kahneman,Daniel

[生]1934.3.5. テルアビブ
イスラエルの心理学者。 1954年エルサレムのヘブライ大学を卒業し,61年アメリカのカリフォルニア大学バークレー校で『意味論的差異の分析モデル』 An analytical model of the semantic differential (1961) により心理学博士号を取得。 61~70年ヘブライ大学で心理学講師,70年から助教授,73~78年まで教授,86~94年カリフォルニア大学教授,2000年からヘブライ大学合理性研究所フェロー,およびプリンストン大学教授も務める。イスラエルとアメリカ両国の国籍を持つ。カーネマンは A.トベルスキーと共同で不確実な状況下での人間の判断と意思決定に関する研究を行ない,その成果を『プロスペクト理論──リスク下における意思決定の分析』 Prospect Theory; An Analysis of Decisions Under Risk (1979) にまとめた。ここで主題となったプロスペクト理論は経済学の一支流となった。 2002年,不確実性の下での人間の判断など,心理学的研究を経済学に導入した功績によりノーベル経済学賞を受賞した。

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デジタル大辞泉の解説

カーネマン(Daniel Kahneman)

[1934~ ]米国とイスラエル二重国籍をもつ心理学者・経済学者。経済学者のエイモス=トゥベルスキーとともに、経済学に心理学の手法を導入し、人間の非合理的な意思決定を理論化したプロスペクト理論を提唱行動経済学を確立した。2002年、ノーベル経済学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カーネマン
かーねまん
Daniel Kahneman
(1934― )

アメリカとイスラエルの二重国籍をもつ経済心理学・行動経済学者。イスラエルのテル・アビブに生まれる。ヘブライ大学で数学と心理学を学び、1961年にアメリカのカリフォルニア大学バークリー校で心理学の博士号を取得し、1993年からプリンストン大学教授を務める。2002年に、「経済学に心理学の手法を導入し、不確実性のもとでの人間の判断・意思決定について新たな研究分野を切り開いた」との理由で、V・L・スミスとともにノーベル経済学賞を受賞した。
 カーネマンはエイモス・トバースキーAmos Tversky(1937―96)とともに行動経済学を唱え、不確実性のもとで人間はかならずしも合理的な決定をせず、感情で動くことがあるとする。限定合理性が人間の思考に存在するとし、伝統的な経済学の理論が予想したものから規則正しく外れていることを実証する。また危険回避的な限界効用逓減(ていげん)のベルヌーイ型の効用関数を批判して、直近の経験などが影響するという「プロスペクト理論」(Prospect Theory)を提案し、人間は現状からの「得」よりも「損」に大きく反応する「損失回避の現象」をとるが、損失がきわめて大きくなるとあまり大きな反応を示さないことを明らかにした。
 カーネマンの研究は消費者行動論、公共選択の理論、なかでも株価変動やキャピタル・ゲイン(ロス)などを扱う行動ファイナンス理論に幅広く応用されている。[金子邦彦]

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