クラプロート(英語表記)Martin Heinrich Klaproth

デジタル大辞泉 「クラプロート」の意味・読み・例文・類語

クラプロート(Martin Heinrich Klaproth)

[1743~1817]ドイツの化学者。分析方法の改良貢献ウランジルコニウムセリウムを発見した。著「鉱石化学分析法」など。

クラプロート(Heinrich Julius Klaproth)

[1783~1835]ドイツの東洋学者。シベリア蒙古など各地を調査し、日本語モンゴル語など東洋諸語の研究書籍収集を行った。著「アジア博言集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「クラプロート」の意味・読み・例文・類語

クラプロート

  1. [ 一 ] ( Martin Heinrich Klaproth マルチン=ハインリヒ━ ) ドイツの化学者。ベルリン大学初代化学教授。周到で精密な分析により、ウラン、ジルコニウム、セリウムの三元素を発見。また、ラボアジエの新理論を確証し、ドイツに導入した。(一七四三‐一八一七
  2. [ 二 ] ( Heinrich Julius Klaproth ハインリヒ=ユリウス━ ) ドイツの東洋学者。[ 一 ]の子。独学で中国語を修得し、アジア各地を旅行。日本語、蒙古語満州語の研究、書籍の収集を行ない、のちパリ大学教授となった。主著に「コーカサスグルジアの旅」「アジア博言集」など。(一七八三‐一八三五

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改訂新版 世界大百科事典 「クラプロート」の意味・わかりやすい解説

クラプロート
Martin Heinrich Klaproth
生没年:1743-1817

ドイツの化学者。仕立職人の子に生まれ,16歳から薬剤師の徒弟となる。各地を遍歴ののち,ベルリンに落ち着いて薬局を経営。兵学校の化学講師ののち,1810年に創立されたベルリン大学の初代化学教授となった。鉱物分析法をおおいに改良し,ウラン(1789),ジルコニウム(1789),セリウム(1803)の三つの新元素を発見したほか,チタン,テルルなど多くの新元素の発見を確証した。また,隕鉄,化石,グアノ,古代の貨幣や釉薬など世界各地から産する物質を分析した。1793年ラボアジエの実験を追試して,その新理論をドイツに導入するのに貢献。
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百科事典マイペディア 「クラプロート」の意味・わかりやすい解説

クラプロート

ドイツの化学者,薬学者。1810年ベルリン大学創立とともに教授。鉱石の分析法を改良し,ウラン,ジルコニウム,セリウムを発見,テルル,チタンなどの発見を検証。その他,ストロンチウム,ベリリウム,クロム,イットリウムなどを含む物質を研究。また,ラボアジエの実験を追試して,その新理論をドイツに導入した。

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367日誕生日大事典 「クラプロート」の解説

クラプロート

生年月日:1783年10月11日
ドイツの東洋学者,中国学者
1835年没

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世界大百科事典(旧版)内のクラプロートの言及

【ウラン】より

…日本語名のウラニウムは俗称。1789年ドイツのM.H.クラプロートがピッチブレンド(歴青ウラン鉱)中から発見し,1781年に新発見され当時有名であった惑星の名称Uranus(天王星)にちなんで命名された。単体は,1842年フランスのペリゴEugène Melchior Péligotがはじめて取り出した。…

【チタン】より

…イギリスのグレゴールW.Gregor(1761‐1817)は1789年に,コーンウォール地方のメナカンMenachan産の砂鉄(チタン鉄鉱)中に新金属の存在を推定しメナチンmenachinと命名した。またドイツのM.H.クラプロートは94年にルチルから新元素を見いだし,ギリシア神話の巨人族ティタンにちなんでチタンと命名,97年にはメナチンと同じものであることを明らかにし,グレゴールのプライオリティを認めて,以後この元素がチタンと呼ばれるようになった。初めは金属をとり出すことができなかったが,1825年J.J.ベルセリウスがフルオロ錯塩を金属カリウムで還元して分離した。…

※「クラプロート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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