クラーナハ[父](読み)クラーナハ

百科事典マイペディア 「クラーナハ[父]」の意味・わかりやすい解説

クラーナハ[父]【クラーナハ】

ドイツの画家,版画家。クローナハの生れ。初めウィーンの宮廷に出入りし,のち1505年ウィッテンベルクでザクセン選帝侯の宮廷画家となり,初期の宗教的な作品から歴史画・神話画に転じた。また1508年か1509年ころに初めて女性裸体画を描き,独特の官能性をたたえた女性像で知られるようになった。ルターをはじめとする知人たちの肖像画は鋭い性格描写によって広く知られている。代表作としては《ビーナスアモル》(1509年,エルミタージュ美術館蔵)をはじめとする数々のビーナス像や《キリスト磔刑》(1503年,ミュンヘン,アルテ・ピナコテーク蔵),《クスピニアン夫妻像》(1503年ころ,スイス,ビンタートゥール,オスカー・ラインハルト・コレクション)などがある。なお父と同名の息子も画家となった。

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