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クルマエビ Marsupenaeus japonicus; Japanese tiger shrimp; Kuruma prawn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クルマエビ
Marsupenaeus japonicus; Japanese tiger shrimp; Kuruma prawn

軟甲綱十脚目クルマエビ科 Penaeidae。体長 25cmに達する。生時の体色は淡褐色ないし青灰色で,暗色の幅広い縞が,頭胸甲では斜めに,腹部では横に走っている。腹部を曲げるとこの縞模様が車輪のように見えるのでその名がある。水深 100mまでの砂泥底にすみ,夜間に餌を求めて活動する。北海道以南オーストラリア北部,インド洋からアフリカ東岸まで広く分布する。近年はスエズ運河を経て地中海に入り,各地で漁獲対象とされている。産卵期は 5月下旬~9月上旬。産卵数は 40万~120万粒で,卵は海中に産み出されるとすぐ海底に沈む。ノープリウスで孵化し,海中を漂いながら 4~5週間に 16~17回脱皮を繰り返し,体長 2cmぐらいの稚エビになる。1960年以来,養殖技術が確立され,今日では卵からの完全養殖が可能となった。稚エビに雑魚や小エビ,アサリ肉などの餌を与え,20~30gの大きさに育てて出荷する。てんぷらの材料として最高級品。体長 9~10cmの個体をマキ,5~6cmの小型個体をサイマキと呼ぶ。近年の研究により,クルマエビ科は細分された。Penaeus属はウシエビクマエビに限定され,クルマエビだけにクルマエビ属 Marsupenaus が設定された。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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百科事典マイペディアの解説

クルマエビ

甲殻類クルマエビ科のエビ。体長20cmくらい。体色は淡褐色〜青灰色。腹部各節に濃紫褐色か茶褐色の横じまがあり,尾びれは青および黄でいろどられる。第1〜3胸脚ははさみ状。
→関連項目イセエビエビ(蝦/海老)

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栄養・生化学辞典の解説

クルマエビ

 [Penaeus japonicus].オオエビともいう.エビ目クルマエビ亜目クマルエビ属の食用のエビ.25cmにも達する.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クルマエビ
くるまえび / 車蝦
kuruma prawnJapanese king prawn
[学]Penaeus japonicus

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目クルマエビ科に属するエビ。日本ではエビ類中の最高級品。北海道以南の西太平洋に多産し、アフリカ東岸まで広く分布する。体長20センチメートル以下のものが多いが、大形個体は25センチメートルに達する。体長15センチメートル内外のものはマキ、10センチメートル以下のものはサイマキとよばれる。体色は淡褐色ないし青灰色の地に茶褐色か青褐色の幅広い縞(しま)が、頭胸甲では斜めに、腹部では横に走っている。腹部を曲げたときに、この横縞が車輪のようにみえるところからクルマエビの名がある。体長15センチメートル以上になると胸脚が黄色になり、尾節の末端部の青色が鮮やかになる。額角(がっかく)は上縁に9~10歯、下縁に1歯ある。頭胸甲の背隆起はあまり高くないが、その両側の溝は深く、ほぼ後縁に達している。尾節の側縁に3対の小さい棘(とげ)がある。[武田正倫]

生態・発生

成体は潮間帯から水深100メートルまでの砂泥底に生息する。夜行性で、日中は砂中に潜っているが、夕刻から泳ぎ出て餌(えさ)をあさる。5月下旬から9月上旬にかけてが交尾期であり、産卵期でもある。雌は脱皮後の体がまだ柔らかいうちに交尾するが、生殖口には雄の分泌物が固まった交尾栓が形成される。交尾および産卵は水深15~20メートルで行われる。卵は0.2~0.3ミリメートルの球形で、青褐色の沈性卵である。雌は夜10時ごろから翌朝4時ごろまで泳ぎながら卵を放つ。抱卵数は40万~130万といわれ、体長15センチメートル内外の標準的な雌で3、4分間に約70万粒を放卵する。水温が27~29℃の場合、13~14時間でおよそ0.3ミリメートルのノープリウス幼生が孵化(ふか)する。35~36時間で6回脱皮して体長約0.8ミリメートルのゾエア幼生となり、5~12日間で3回脱皮して後期幼生のマスティゴプス幼生になる。体長2.7~3.1ミリメートルで、その後脱皮を重ねて成長し、体長1センチメートルほどになると砂に潜るようになる。翌年には性的に成熟して産卵し、そのあとに死ぬ。[武田正倫]

近縁種

クルマエビ科のエビは、世界各地で貴重な水産資源である。西太平洋からインド洋海域ではフトミゾエビP. latisulcatusやクマエビP. semisulcatusのほか、コウライエビP. chinensisやウシエビP. monodonなどがとくに重要で、大西洋ではホワイトシュリンプP. setiferusとピンクシュリンプP. duorarumおよびブラウンシュリンプP. azteusが最重要種である。[武田正倫]

養殖

大形個体の蓄養は明治中期から行われていたが、これは、漁獲が夏から秋に限られ、季節によって価格が著しく異なることから考え出されたものである。しかし、安定した量を得るために、卵からかえして育てる養殖が望まれていた。1960年(昭和35)になって、幼生の大量育成の技術が確立され、人為的な完全養殖が行われるようになった。孵化後約1か月で体長2センチメートルほどになった稚エビを種(たね)エビにして養殖池に放し、雑魚や小エビ、アサリのむき身などを餌にして、20~30グラムに育てて出荷する。完全に陸上の施設での養殖が行われており、大量にしかも安定した量の供給が可能となった。近年は種苗を海に直接放して沿岸漁業の振興にも寄与している。[武田正倫]

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