クロムイエロー(英語表記)chrome yellow

デジタル大辞泉 「クロムイエロー」の意味・読み・例文・類語

クロム‐イエロー(chrome yellow)

クロム酸鉛主成分とする黄色顔料黄鉛おうえん

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精選版 日本国語大辞典 「クロムイエロー」の意味・読み・例文・類語

クロム‐イエロー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] chrome yellow ) クロム酸鉛を主成分とする黄色顔料塗料印刷インキクレヨンなどに用いる。黄鉛(おうえん)
    1. [初出の実例]「ライトレッドにクロームイエロウを混ぜると、かういふ色に」(出典:黯い潮(1950)〈井上靖〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「クロムイエロー」の意味・わかりやすい解説

クロムイェロー
chrome yellow

黄鉛ともいわれる黄色無機顔料。主成分がクロム酸鉛PbCrO4であるクロムイェローGのほか,クロム酸鉛と硫酸鉛PbSO4を主成分とする緑色調のクロムイェロー10G,5G,クロム酸鉛と酸化鉛(Ⅱ)PbOとが結合した塩基性クロム酸鉛を主成分とする橙色調のクロムイェローR,5Rなどもある。製法は一般的には湿式法が用いられ,金属鉛,酸化鉛(Ⅱ)に硝酸を反応させ硝酸鉛をつくり,これに二クロム酸ナトリウムを加えてクロム酸鉛の結晶を得,顔料化して製品とする。緑色調の製品は,二クロム酸ナトリウムとともに硫酸ナトリウムを加え,硫酸鉛を共沈させる。陰ぺい力が大きく安価であるが有毒であり,耐熱性,耐アルカリ性も中程度である。塗料,絵具の製造,ポリ塩化ビニル雑貨などの着色に使用される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロムイエロー」の意味・わかりやすい解説

クロム・イエロー
chrome yellow

絵具の色名の一つ。クロム酸鉛 PbCrO4 を主成分とする黄色顔料。黄鉛ともいう。製法の条件によって結晶構造を変えて,レモン,ライト,ミドル,ディープオレンジ,バーミリオンなど,各種の色相がつくられる。 1797年クロム元素が発見されてのち,1809年に N.ボークランによって化学的製法が発明され,18年には工業的に製造されるようになった。精製過程で洗浄の不十分なものには可溶性の鉛やソーダ不純物が残るので,硫化しやすく,精製したものでも時がたつにつれて色相が暗くなる。それを防ぐには,絵具が乾燥したらワニス被覆を施すとよいが,それでも十分とはいえない。

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色名がわかる辞典 「クロムイエロー」の解説

クロムイエロー【chrome yellow】

色名の一つ。クロームイエローとも表記する。JISの色彩規格では「明るい」としている。一般に、クロム酸鉛を主成分とする顔料の鮮やかな黄色のこと。1809年に初めて製造された。日本語では黄鉛おうえんという顔料。クロムはクロム鉄鉱として産出し、銀白色で硬く、耐食性にすぐれる。オランダの画家ビンセント・ヴァン・ゴッホの「ひまわり」はこのクロムイエローを用いて描かれたと伝えられる。その後、ほぼ同色の絵の具としてカドミウムイエローが出現した。

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百科事典マイペディア 「クロムイエロー」の意味・わかりやすい解説

クロムイエロー

黄鉛とも。クロム酸鉛PbCrO4を主成分とする黄色顔料。クロム酸ナトリウムの水溶液に硝酸鉛の水溶液を加えると沈殿として得られる。硫化水素によって黒変する欠点があるが耐光性にすぐれ,塗料,印刷インキなどに使用。有毒。
→関連項目クロムグリーン

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世界大百科事典(旧版)内のクロムイエローの言及

【クロム酸鉛】より

…硝酸鉛または酢酸鉛の水溶液にクロム酸塩水溶液を加えると沈殿する。黄鉛あるいはクロムイェローと称して黄色顔料として広く用いられる。クロムイェロー【中原 勝儼】。…

※「クロムイエロー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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