ドイツ生れの数学者。ゲッティンゲン大学で当時の世界的指導者D.ヒルベルトに師事し,1910年学位を得た。変分法を中心とした偏微分方程式の研究,関数論の研究などに業績を残した。研究,著書を通じて,数学の自然科学,とくに物理学との関連を強調し,それは著書のクーラント=ヒルベルト《数理物理学の方法》によく表れている。20年ゲッティンゲン大学教授となり,名実ともに解析学の指導者となった。ドイツにナチス支配の色彩が濃くなった34年,ニューヨークに渡り,同年ニューヨーク大学に数学研究センターを発足させ,アメリカで活躍,ついに53年数理科学研究所に昇格させ,以後所長として活躍,プリンストン高等研究所と並んで,この研究所がアメリカにおける二大研究センターの一つになるまで発展させるとともに後進の育成を行った。おもな著書として,前述のほか,《微分積分学》《ディリクレ原理,等角写像および極小曲面》がある。また,固有値問題に関して,ディリクレ積分についての極大・極小の原理は有名である。
執筆者:溝畑 茂
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16世紀におこった舞曲。フランス語のcourir(走る)に由来し、軽快なテンポをもつ。17世紀中ごろには組曲を構成する一楽章となり、イタリア風コレンテとフランス風クーラントの二つに分かれた。イタリア風コレンテは急速な3/4または3/8拍子で、絶えず走り回るような音型をもつ。フランス風クーラントは、前者より洗練された様式で、中庸な3/2または6/4拍子。拍子がしばしば互いに入れ替わるのが特徴。両者の違いは、バッハの作品では明確に区別されていたが、後の校訂者がコレンテにクーラントの名称を用いたため混乱をきたした。
[関根敏子]
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…17世紀に入ると,性格の異なる舞曲を連ねて組形式とする前世紀からの習慣が発展し,新たに組曲が誕生した。その際,上記の舞曲に代わって緩やかな偶数拍子系のアルマンド,速い3拍子で軽快なテンポのクーラント,サラバンド,ジーグ,さらにはブーレ,ガボット,メヌエットといった宮廷舞曲が組み合わせられた。J.S.バッハの《フランス組曲》や《管弦楽組曲》がその好例である。…
※「クーラント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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