翻訳|globulin
単純タンパク質の一つで、動植物の組織および体液中に広く存在する。単純タンパク質のうち、よく水に溶けるものをアルブミン、溶けにくいものをグロブリンと総称することが1907年にイギリス生理学会で提案されたが、研究が進むにつれて両者の境界線はかえってあいまいになってしまった。中間的性質をもったものも多数存在し、擬グロブリン(プソイドグロブリンpseudoglobulin)とよんで真性グロブリン(オイグロブリンeuglobulin)と区別したりしている。また、グロブリンのなかには、アルブミンの場合と同様に、単純タンパク質ではないことがわかった例も多い。グロブリンもアルブミンもごく大ざっぱな分類上の名称ととらえておくのがよい。
一般にグロブリンに属するタンパク質は純水に溶けにくく、薄いアルカリ性・中性の溶液に溶け、飽和硫酸マグネシウムあるいは半飽和の硫酸アンモニウムによって沈殿する。また熱で凝固する。グロブリンと名のついているタンパク質には、哺乳(ほにゅう)動物の血液に含まれているα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)の各グロブリン、牛乳中のラクトグロブリン、植物種子中の各種グロブリン(ダイズのグリニシン、穀物のα、β、γ、δ(デルタ)の各グロブリンなど)がある。動物の血液のγ-グロブリンと一部のβ-グロブリンは、免疫機構で重要な働きをしている。なお、豆腐は、ダイズに含まれるグロブリンを、カルシウム塩またはマグネシウム塩によって脂肪とともに固めたものである。
[笠井献一]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
希薄塩溶液,酸,アルカリに可溶,純水に不溶かあるいはほとんど溶解しないタンパク質の総称.動物,植物に広く分布する.グロブリンには免疫に関与するタンパク質である血清γ-グロブリン,酵素であるリゾチーム,タンパク質ホルモンであるインスリンなどが含まれ,生理的に重要なタンパク質が多い.[別用語参照]α-グロブリン,β-グロブリン,γ-グロブリン
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…ポリペプチド鎖のみから成るものを単純タンパク質simple protein,他の物質と結合して(非共有結合も含める)存在するものを複合タンパク質conjugated proteinという(表3-(1))。溶媒中の等電点の違いによる分類もあり(表3-(2)),また,アルブミン,グロブリンなどの名は,溶解度によりタンパク質を分類したときの名残りである(表3-(4))。主としてX線解析による成果をもとに,二次構造,三次構造の違いからタンパク質を分類しようとする試みをまとめると表3-(3)のようになる。…
※「グロブリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新