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メキシコ中央部,同名州の州都。大都市域人口87万7837(2003)。標高1853m。メキシコ市の北西309km,ケレタロ川流域平野の集約的野菜・酪農地域の中核都市。郊外に工場団地が造成され,食品加工をはじめ各種近代工業が発達。オトミ族が建設した町で,植民地時代にはグアナフアトやサカテカスの銀山への補給基地であった。1810年のイダルゴの独立計画策定,48年米墨(アメリカ・メキシコ)戦争の講和条約調印,67年マクシミリアン皇帝の処刑,1917年の憲法作成など,メキシコ史の重要な舞台となった。
執筆者:栗原 尚子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
メキシコ中央高原にある都市。ケレタロ州の州都。レルマ川上流の標高1821メートルに位置する。人口53万6463(2000)。鉱山町で、銀、銅、オパールを産出する。この町で、1810年にメキシコ独立の密計が企てられ、1867年には、ナポレオン3世によってメキシコ皇帝に選ばれた、オーストリアのハプスブルク家のマクシミリアンが銃殺され、1917年には憲法が起草されるなど、たびたびメキシコ史の舞台となった。皇帝が銃殺された「悲しみの丘」には廟(びょう)があり、この背後の丘に憲法を手にしたベニト・フアレス元大統領の巨像が立っている。サン・フランシスコ教会、サンタ・クララ教会のほか、8キロメートルにわたる植民地時代の水道橋も残っている。なお、1996年には歴史史跡地区が、2003年にはシエラ・ゴルダ地区のフランシスコ修道会伝道施設群が、それぞれ世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[高木秀樹]
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