ケーキ(英語表記)cake

翻訳|cake

精選版 日本国語大辞典 「ケーキ」の意味・読み・例文・類語

ケーキ

〘名〙 (cake) 小麦粉に砂糖、牛乳、鶏卵、香料などをまぜて焼いた洋菓子の総称。特に、スポンジケーキを台にして生クリームや果物を加えて作った菓子。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉五「お客さまへ菓子(ケイキ)をあげるんだ」

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デジタル大辞泉 「ケーキ」の意味・読み・例文・類語

ケーキ(cake)

小麦粉に砂糖・卵・油脂類・牛乳・香料などを混ぜて焼いた洋菓子。また、それをベースにして生クリームや果物を加えて作った菓子。

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改訂新版 世界大百科事典 「ケーキ」の意味・わかりやすい解説

ケーキ
cake

小麦粉を主材料とし,油脂類,卵,砂糖,牛乳,香料などを加えた生地をオーブンで焼いた洋菓子。

ケーキはその土台に用いる生地によって次のように分けられる。(1)スポンジ生地のもの 泡立てた卵と小麦粉,砂糖などを軽く合わせて型に流し入れるか,絞り出してオーブンで焼く。焼上がりが卵の起泡性によって海綿状に軽くふくらむのが特徴。形や大きさ,デコレーションの方法で変化がつけやすく,利用範囲が広いため,ケーキの代表的な生地とされている。溶かしバターを加えたジェノワーズ生地と,加えないビスキュイ生地の2種があり,ともに全卵を泡立てる〈共立て法(温製法)〉か,卵黄と卵白を分けて泡立てる〈別立て法(冷製法)〉が用いられる。スポンジ生地を土台にしたケーキには,泡立てた生クリームとイチゴなどで飾ったショートケーキ,ココア入りの生地をチョコレートや生クリームで飾ったチョコレートケーキ,クリスマス,誕生日,結婚式用のデコレーションケーキなどがある。ロールケーキは,スポンジ生地をオーブン・プレートに流して薄く焼き,ジャムやクリームを塗って渦巻状に巻いたものである。フランスではクリスマスに,ロールケーキをココアやコーヒー風味のバタークリームなどで飾った,薪形のビュッシュ・ド・ノエルを作る。(2)バターケーキの生地のもの スポンジ生地と似ているが,バターの量を多くし,卵を泡立てない。きめ細かくどっしりと重い仕上がりで日もちのよいのが特徴。あまりデコレーションを加えず,生地の材料の配合比を変えたり,果物の砂糖漬,干しブドウ,ナッツ類,洋酒,香料などを混ぜ入れて変化をつけることが多い。この生地の代表的なケーキには,卵,小麦粉,砂糖,バターを1ポンドずつの同割で作ることから名付けられたパウンドケーキキャトル・カールともいう),果物,ナッツ類を加えたフルーツケーキ,木の年輪に似せて作られたバウムクーヘン,溶かしたチョコレートを加えた生地にチョコレートをかけて仕上げたウィーンの銘菓ザッヒャートルテなどがある。また,マドレーヌはバターケーキの生地を貝殻形などの小さな型で焼いたものである。(3)パイ生地のもの。(4)シュー生地のもの 生地の段階で火を通す唯一のものである。水,バター,塩をなべに入れて沸騰させ,小麦粉を加えて練り,火からおろして卵を加える。この生地を絞り出して焼くと,ふくれて中が空洞になるのが特徴で,そこにクリーム類を詰めてシュークリーム,エクレアその他を作る。(5)発酵生地のもの イーストの発酵を利用して作る生地で,製法はパンと同じであるが,バター,卵,砂糖,牛乳を多く用いるのが特徴。洋酒入りシロップをたっぷり含ませたサバラン,王冠形の型に入れて焼くウィーンの伝統的なクグロフなどがよく知られている。(6)ビスケット生地のもの 小麦粉,バター,砂糖,卵を主材料とする生地を,絞り出したり薄くのばして型で抜いてオーブンで焼く。一般に,ビスケット,クッキー,サブレなどと呼ばれるもので,材料の配合を変えたり,ナッツ類,果物の砂糖漬,ココア,香料を加えたりして変化をつける。ほかに粉末のアーモンドに卵白を混ぜた生地を焼いたマカロンもある。プティ・フールと呼ばれる一口菓子には,パイ生地,シュー生地,スポンジ生地などを使うものと,ビスケット生地を使うものとがあり,前者は糖衣をかけたものの意でプティ・フール・グラッセ,後者は乾いたものの意でプティ・フール・セックと呼ぶ。

小麦粉は,スポンジ生地など軽い仕上がりの生地には薄力粉(はくりきこ),折込みパイ生地やイースト生地には強力粉が適する。油脂類はケーキの乾燥を防ぎ,保存性を高め,口当りをよくする役割を果たすもので,風味の点でバター(無塩)が最も優れている。代用として用いるショートニングは溶けにくく,かくはんすると空気を含む性質に優れ,かつ安価だが,マーガリンとともに風味の点で劣る。他の乳製品では,牛乳,生クリーム,チーズなどが挙げられる。練乳(エバミルク)や粉乳を使うこともある。甘味料としては,砂糖とくに上白糖やグラニュ糖が適し,甘みをつけるだけでなく,乾燥を防ぎ,保存性を高める役割を果たす。粒子の細かい粉砂糖は仕上げにふりかけたり,クリームに混ぜたりするのに用いる。砂糖以外の甘味料としては,糖みつ,水あめ,はちみつなどが用いられる。卵は風味の点だけではなく,その起泡性,凝固性,乳化性を利用するため欠かせない材料である。そのほか,添加物としてベーキングパウダーやイーストなどの膨張剤,バニラ,レモン,アーモンドなどのエッセンス,香辛料ではシナモン(肉桂(につけい)),クローブ(丁子(ちようじ)),さや状の果実を発酵,乾燥させたバニラなどがよく用いられる。酒類は風味や香り付けだけでなく,保存性を高めるためにも重要で,ラム酒,ブランデー,各種リキュールなどが用いられる。

焼き上がったケーキの土台には,仕上げのためコーティング,絞出し,その他の操作が加えられる。おもなものはコーティングと絞出しで,ほかに花の砂糖漬,ナッツ類,マジパン細工などで飾ったり,表面に模様を描いたり,焦げめをつけるなど種々の方法がある。コーティングとは,台となる菓子に種々の材料を塗ったり流しかけたりして,全体または一部をおおうことをいう。適温で溶かしたフォンダン(砂糖と水あめのシロップを練り合わせた糖衣)やクーベルチュールと呼ばれるコーティング用チョコレート,クリーム類,メレンゲ(卵白と砂糖を泡立てたもの),マジパン(アーモンドの粉末とシロップを混ぜ合わせて作る生地)などが用いられる。絞出しは,絞出袋と種々の形と大きさの口金を用いてクリーム類などを絞り出し,線や形を作り出すもので,デコレーションケーキには欠かせない技術である。コーティングや絞出しに用いられるおもなクリーム類には,生クリームに砂糖を加えて泡立てたクレーム・シャンティイー(ホイップクリーム),バターに卵,砂糖を加えたバタークリーム,生クリームにチョコレートを溶かし混ぜたガナーシュ,それにウェディングケーキの装飾などに用いるグラス・ロアイヤル(粉砂糖と卵白にレモン汁か酒石酸を加えて練り混ぜたもの)などがある。
洋菓子
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケーキ」の意味・わかりやすい解説

ケーキ
けーき
cake

洋生菓子、フルーツケーキ、バターケーキなどのこと。日本では洋菓子全般をさすことが多いが、イギリスおよびヨーロッパ諸国では、cakeは特定の種類の菓子を意味することが多い。すなわち、バター、砂糖、鶏卵、小麦粉および木の実や乾燥果実などを主原料としてつくる、スポンジ状組織をした比較的日もちのよい菓子をいう。代表的なものにプラムケーキ、シムネルケーキ、マデラケーキ、パウンドケーキなどがある。フランス語ではガトーgâteau(x)、ドイツ語ではクーヘンKuchenに相当する。菓子の総称はコンフェクショナリーconfectioneryとかペイストリーpastryというべきで、ケーキはその一分野である。

[熊崎賢三]

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ケーキ」の解説

ケーキ【cake】

洋菓子の一種。小麦粉・卵・砂糖・バターなどの油脂・香料などを混ぜた生地をオーブンで焼いて作るスポンジケーキバターケーキ、焼いた生地(スポンジケーキやパイ生地など)を土台に各種のクリーム・果物・ムース・ババロア・チョコレートなどをあしらったものなどの総称。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケーキ」の意味・わかりやすい解説

ケーキ
cake

洋菓子の一種。デコレーションケーキ,フルーツケーキ,スポンジケーキなど,おもに小麦粉を使用してカステラをベースにしたものをいう。古代エジプト時代からつくられており,砂糖が使用される以前には,果物と混ぜたり,蜂蜜の甘味を利用したりして食された。

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栄養・生化学辞典 「ケーキ」の解説

ケーキ

 (1) 焼いた洋菓子の一種.(2) かたまりをいうこともある.

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