ゲル=マン(英語表記)Gell-Mann, Murray

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲル=マン」の意味・わかりやすい解説

ゲル=マン
Gell-Mann, Murray

[生]1929.9.15. ニューヨーク,ニューヨーク
[没]2019.5.24. ニューメキシコ,サンタフェ
アメリカ合衆国の理論物理学者。15歳でエール大学に入学。卒業後,1951年マサチューセッツ工科大学で博士号を取得。シカゴ大学を経て,1956年カリフォルニア工科大学教授となった。K中間子崩壊の奇妙さなどの考察から,1953年素粒子のもつストレンジネス strangenessという量子数を導入,相互作用の前後でのこの量子数の選択規則を見出した(中野董夫西島和彦も独立に発見。→中野=西島=ゲル=マンの規則)。その後続々と発見された多数の素粒子のグループ分けを試み,1961年に 8個ずつの組になるという八道説を提唱。これに従って予言したオメガ・マイナスなどの未知の素粒子は 1964年に発見された。また 1964年,素粒子はクォークという電荷が電子の 3分の1または 3分の2の粒子から構成されるとする考えを示した。これらの業績に対して 1969年ノーベル物理学賞を授与された。

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