コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ゲンス ゲンス gens

翻訳|gens

3件 の用語解説(ゲンスの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゲンス
ゲンス
gens

古代ローマの氏族。共通の姓と同祖観念で結ばれた諸家族の集団。農業の発展とともに成長した富裕者が下層階級と区別するために形成し,その名をたとえば,Gaius Valerius Catullusのように姓名の中間においた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ゲンス【gens】

古代ローマ最古期の氏族集団。各氏族の成員は共通の名前や祭礼により結びついていたが,必ずしも血縁集団であったわけではない。氏族は本来の成員だけでなく庇護民によっても構成され,氏族内の各家族は相互に対等な家父長の絶対的宗主権下にあった。氏族の所属者の保護と利益擁護のためには自力救済の手段がとられたが,国家組織が整い血讐による秩序が克服されると,氏族は貴族身分として残存するにすぎなくなった。【本村 凌二】
ギリシア
 ローマ人のゲンスに当たるギリシア語は同語根のゲノスgenosである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲンス
げんす
gensラテン語

古代ローマ社会において、祖先と名前(氏族名)を共有するとの意識で結ばれた複数の家族からなる集団。いわゆる氏族。男子ローマ市民は、原則として、個人名praenomen、氏族名nomen、付属名(家族名)cognomenの三つの名を有した(たとえば、ガイウス・ユリウス・カエサルは、ユリア氏族の成員)。一説では、先史時代のローマはそれぞれ多数の被護民を抱えた氏族共同体を基本単位とする社会であり、土地も各氏族内で共有されたといわれるが、この氏族と歴史時代の氏族の連続性に関しては諸説ある。歴史時代のローマでは、パトリキ(旧貴族)、プレブス(平民)両身分について多数の氏族の存在が知られ(たとえば、紀元前367年にパトリキの氏族は22あり、81家族を含んでいた)、パトリキの氏族のなかに、さらに大氏族gentes maiores、小氏族gentes minoresの別があった。これらにはもはや社会の基本単位としての意味はなく、各氏族の集会では共同の祭祀(さいし)、氏族成員の遺言、養子縁組など、家族法にかかわる案件が処理されるのみであったが、ただし、共和政期の事実上の支配階級であるノビレス(貴顕貴族、高位の政務官就任者の子孫)集団においては、氏族はなお政治的機能を果たした。すなわち、元老院の首席には大氏族出身者しかなれず、また一氏族あるいは2、3の氏族の連合が政務官選挙の際に協力しあって官職を独占する現象がみられた。これらは、近代的「政党」とは厳密に区別されるものの、一種の派閥であることは確かであり、一氏族が一つの政策、路線を掲げる例も指摘されている。
 なお、ゲルマン人の社会についてローマ人は「下位の政治組織単位キーウィタースの上により上位の単位ゲンス(部族)があった」と説明している。[栗田伸子]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のゲンスの言及

【氏族】より

…〈氏族〉とは何かが定義されて以来,氏族の単系性をめぐってさまざまな用語や概念がこれまで提唱されてきた。アメリカ・インディアン社会に特徴的であるとされた母系氏族と,古代ギリシア・ローマ社会に典型的であるとされた父系氏族の両者の社会組織上の違いと,前者から後者への社会進化を明確に規定する意味で,前者を〈クラン〉とし,後者を〈ゲンスgens〉と定義づけたL.H.モーガンやJ.W.パウエルらの進化主義による長い伝統もあって,ことにアメリカでは両語を区別して用いることが常であった。しかしのちになるとイギリスで,〈クラン〉の語源となったスコットランド人の氏族が,単系出自集団でも外婚集団でもないことに発し,新しく〈セプトsept〉という用語がW.H.R.リバーズによって唱えられるようになる。…

【氏族制度】より

…とくに兄弟関係にあるといわれる数個の氏族は結合して,一定の機能をもった集団を形成し,この集団が集まって一つの部族が形成される。《古代社会》において,氏族を表すのに,ギリシア語のゲノスgenosと同意義のゲンスgensというラテン語をあてたモーガンは,上記兄弟氏族の結合体を,これに対応すると考えた古代ギリシアの組織にしたがってフラトリア(胞族)と名づけた。胞族はもと単一の氏族が膨張して,二つ以上の娘氏族に分裂した結果生じたものらしい。…

【氏族】より

…〈氏族〉とは何かが定義されて以来,氏族の単系性をめぐってさまざまな用語や概念がこれまで提唱されてきた。アメリカ・インディアン社会に特徴的であるとされた母系氏族と,古代ギリシア・ローマ社会に典型的であるとされた父系氏族の両者の社会組織上の違いと,前者から後者への社会進化を明確に規定する意味で,前者を〈クラン〉とし,後者を〈ゲンスgens〉と定義づけたL.H.モーガンやJ.W.パウエルらの進化主義による長い伝統もあって,ことにアメリカでは両語を区別して用いることが常であった。しかしのちになるとイギリスで,〈クラン〉の語源となったスコットランド人の氏族が,単系出自集団でも外婚集団でもないことに発し,新しく〈セプトsept〉という用語がW.H.R.リバーズによって唱えられるようになる。…

【氏族制度】より

…とくに兄弟関係にあるといわれる数個の氏族は結合して,一定の機能をもった集団を形成し,この集団が集まって一つの部族が形成される。《古代社会》において,氏族を表すのに,ギリシア語のゲノスgenosと同意義のゲンスgensというラテン語をあてたモーガンは,上記兄弟氏族の結合体を,これに対応すると考えた古代ギリシアの組織にしたがってフラトリア(胞族)と名づけた。胞族はもと単一の氏族が膨張して,二つ以上の娘氏族に分裂した結果生じたものらしい。…

※「ゲンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

ゲンスの関連キーワード氏子クリアレスゲノス坂上氏新撰姓氏録神別本系帳クランタータン古代ローマ人の格言

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone

ゲンスの関連情報