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コッコリス

百科事典マイペディアの解説

コッコリス

円石藻とも。原生生物のコッコリソフォアがつくる微小な石灰質の殻。おもに方解石からなり,径数μmの円盤状など様々な形態をもつ化石である。石灰質ナンノ化石の多くはコッコリスであり,中生代ジュラ紀以降,日本ではおもに第三紀後期〜第四紀の層序区分や対比にしばしば利用される。

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世界大百科事典 第2版の解説

コッコリス【coccolith】

北大西洋の深海堆積物より発見された円盤ないし小判状の方解石に対しT.H.ハクスリーが命名したもの(1858)。後に,これは石灰質ナンノプランクトンと総称されるグループの一員で,コッコリトフォリーダCoccolithophoridaと呼ばれる,ハプト藻類に属する単細胞の浮遊性藻類の分泌したものであることが判明した。現生のコッコリトフォリーダはCoccolithus pelagicusなど150種以上に達するが,少数種を除き,北極海および南極海以外の大洋水の表層約150mを占める透光帯において光合成を営み,繁殖している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コッコリス
こっこりす
coccolith

単細胞の植物プランクトンであるコッコリトフォアcoccolithophoreの細胞を取り巻く石灰質小盤のこと。微小な方解石の結晶からなり、その外形は、円盤状、円錐(えんすい)状、円環状、星形、五角形などさまざまである。中央部に突起やアーチ状の橋のあるものもある。大きさは1マイクロメートル以下から二十数マイクロメートル程度である。コッコリトフォアの死後、コッコリスはばらばらになり海洋底に堆積(たいせき)する。ドーバー海峡に面した崖(がけ)で、「ドーバーの白い壁」とよばれるチョーク(白亜)の地層は、おもに中生代白亜紀のコッコリスからなる。中生代ジュラ紀初頭以後の堆積岩から現世の堆積物まで産する。しかし、地球上への最初の出現は、ジュラ紀初頭以前にさかのぼる可能性もあるとされている。地質時代から現在までのコッコリス群集の変遷は、過去の地球環境を知る手掛りとして、あるいは地層を対比する手段として有効である。[谷村好洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のコッコリスの言及

【化石】より

…この中には,有孔虫・放散虫・貝形虫・ケイ藻のような微小な殻や骨格をもつ動植物,複雑な構造をもつ大型動物の骨格の一部分(例えばウニのとげや骨片など)や,植物の花粉・胞子などの化石が含まれる。さらに超微化石などと呼ばれているのは,500倍ないし1000倍の高倍率の光学顕微鏡下でようやく識別できる種類の古生物の遺骸であり,代表的なものには石灰質ナンノプランクトン(コッコリス)がある。これらの殻の詳細な構造は電子顕微鏡によって究明される。…

【石灰質軟泥】より

…(1)有孔虫軟泥foraminiferal ooze 最も典型的な石灰質軟泥で,古くからグロビゲリナ軟泥globigerina oozeという名で知られ,炭酸石灰を50~80%含むものが多い。この軟泥を62μm(250メッシュ)のふるいで水洗すると,網目上に残った部分はほとんど浮遊性有孔虫(グロビゲリナ超科)の殻であり,網目を通過した細粒部はコッコリス類の殻片を無数に含んでいる。コッコリス類は浮遊性の黄緑色藻類で,大きさは一般に数μmであり,電子顕微鏡を用いないと正確な学名がわからないので,最近までは無視されてきた。…

【チョーク】より

…西ヨーロッパやメキシコ湾岸の上部白亜紀層に特徴的にみられる微細な石灰粒からなる白色未固結の堆積岩で,ドーバー海峡に面する海崖に典型的に発達する。チョークは以前には無機的な炭酸石灰の沈殿物と考えられていたが,電子顕微鏡の発達により,これが主として浮遊性藻類であるコッコリトフォリーダの遺骸(コッコリス)から形成されていることが明らかとなった。しばしばフリントの団塊を含み,場所によってはアンモナイト,ベレムナイト,二枚貝,ウニなどの化石を含む。…

※「コッコリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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