コルチゾール(読み)こるちぞーる(英語表記)cortisol

日本大百科全書(ニッポニカ)「コルチゾール」の解説

コルチゾール
こるちぞーる
cortisol

副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモン(ACTH)によって産生され、副腎皮質より抽出される糖質副腎皮質ホルモンヒドロコルチゾンともいう。コルチコイドとよばれるステロイドの一種で、体内のタンパク質の合成をコントロールしてさまざまな作用を示す。脳のエネルギー源である糖の合成を促進し、脳以外で糖が使われないよう制限して血液中の血糖値を上昇させるとともに、脂肪分解作用を促進させて組織へエネルギーを供給する。飢餓状態になれば糖新生が起こり、筋肉中のタンパク質を分解して糖を合成しエネルギーに変える。またストレスを感じると分泌され、交感神経を刺激して脈拍を亢進(こうしん)させ血圧を上昇させて運動機能を活性化する。強力な抗炎症作用をもち、生体防御反応としての炎症を抑えて治癒(ちゆ)を促進する。

 こうした強力な作用のために、結果としておこる副作用にも十分留意する。過剰な血糖値の上昇作用は糖尿病の危険があり、白血球の働きを抑える免疫抑制作用では感染症をおこし、疾患発症の危険性が高まり抗酸化作用も低下する。骨量低下による骨粗鬆(そしょう)症、血圧の上昇では高血圧にも留意する。カリウム排泄(はいせつ)作用は筋収縮に異常をきたすことがあり、ほかに消化性潰瘍(かいよう)や血栓症などにも注意する。体内ではコルチゾールからコルチゾンが生成されるが、コルチゾンも急性炎症やアレルギー疾患などの治療に用いられる。

[編集部]

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四訂版 病院で受ける検査がわかる本「コルチゾール」の解説

コルチゾール

基準値

2.5~15.5μg/dℓ

クッシング症候群などで高値に

 コルチゾールは、副腎ふくじん皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、基礎代謝の維持、糖新生・グリコーゲン増加、脂肪合成抑制・貯蔵脂肪の肝臓への移動など、糖と脂肪代謝の調節を行っています。

 また、抗炎症作用、抗アレルギー作用など生体にとって不可欠な役割を担っています。

 コルチゾールが高値になると、満月様顔貌がんぼう(ムーンフェイス)といわれるように顔が肥満したり、胴体や首の後ろが太くなったり、あるいはひげが濃くなったりします。

 このような症状がみられたら、クッシング症候群を疑います。また、医師が使用する「ステロイドホルモン」でも同様の症状が出現します。

 なお、コルチゾールは早朝が最も高く、夕方には早朝の半分くらいに、そして深夜には4分の1程度と、日内変動が極めて大きい検査のひとつです。このため、検査が行われた時間が解釈上重要になってきます。

検査値からの対策

 日内変動が大きい検査のため、軽度異常値、境界値の場合は日内変動を調べたり、各種の負荷試験を行います。

疑われるおもな病気などは

◆高値→クッシング症候群、下垂体腺腫、異所性ACTH産生腫瘍、妊娠末期、ストレス、腎不全など

◆低値→アジソン病、下垂体機能低下症、副腎クリーゼなど

医師が使う一般用語
「コルチゾール」

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報

デジタル大辞泉「コルチゾール」の解説

コルチゾール(cortisol)

副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一つ。糖質コルチコイドの主成分であり、脂質たんぱく質の代謝や血圧の調節に関与する。ストレスを受けると分泌量が増え、心拍数の増加や体温・血圧・血糖値の上昇を促し、生体防御機構を活性化させる。ヒドロコルチゾン。

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栄養・生化学辞典「コルチゾール」の解説

コルチゾール

 C21H30O5 (mw362.47).

 ヒドロコルチゾン,ハイドロコルチゾンともいう.副腎皮質で作られるステロイドホルモンでグルココルチコイドとしての活性が最も強い.血漿中濃度が最も高い.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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