サンジョンペルス(読み)さんじょんぺるす(その他表記)Saint-John Perse

デジタル大辞泉 「サンジョンペルス」の意味・読み・例文・類語

サン‐ジョン‐ペルス(Saint-John Perse)

[1887~1975]フランス詩人外交官作風象徴主義的。1960年ノーベル文学賞受賞。作「追放」など。

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精選版 日本国語大辞典 「サンジョンペルス」の意味・読み・例文・類語

サン‐ジョン‐ペルス

  1. ( Alexis Saint-John Perse アレクシス━ ) フランスの詩人、外交官。作風は象徴主義的。代表作は「追放」。一九六〇年ノーベル文学賞受賞。(一八八七‐一九七五

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンジョンペルス」の意味・わかりやすい解説

サン・ジョン・ペルス
さんじょんぺるす
Saint-John Perse
(1887―1975)

フランスの外交官、詩人。本名アレクシス・サン・レジェ・レジェAlexis Saint-Léger Léger。カリブ海のグアドループ島に生まれる。そこで過ごした幼少時のことは、最初の詩集『讃(さん)』(1911)のなかで、緑したたる世界として追想されている。1899年、農園経営が悪化して、一家は本国へ引き揚げる。ボルドー大学で学び、1916年から外交官として北京(ペキン)に赴任。その間にゴビ砂漠を旅行した経験が、壮大な『遠征』(1924)となって実を結ぶ。

 第二次世界大戦に際して、主戦論のため外務省を追われ、アメリカに亡命。その地で、自然の諸力による希望の回復を歌う『流謫(るたく)』(1942)、大地と詩作の偉大さを繰り広げる『風』(1946)、海と愛との宇宙的なリズムに波打つ『航路目標』(1957)などの代表作を発表し、世界的な名声を得る。これらの作品は叙事詩的なリズムによる長編の散文詩で、人類のあらゆる活動分野を喚起している。さらに時間に打ち勝つ人間の喜びの歌『年代記Chronique(1960)を書く。その年ノーベル文学賞を受賞。20世紀の悲劇的な状況のなかで、彼はなおも宇宙に内在する事物への讃歌を唱えた。

[小副川明]

『J・P・リシャール著、渋沢孝輔訳『サン・ジョン・ペルス』(『現代詩11の研究』所収・1971・思潮社)』『多田智満子訳『サン・ジョン・ペルス詩集』(1975・思潮社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「サンジョンペルス」の意味・わかりやすい解説

サン・ジョン・ペルス
Saint-John Perse
生没年:1887-1975

フランスの詩人。本名レジェAlexis Saint-éger Léger。フランス領アンティル諸島のイレ・タ・フーユに農園主の子として生まれ,ボルドーで学び,クローデルの知遇を得て外交官となり,中国に長く勤務したのち本省の事務局長となったが,第2次大戦に際してドイツに対し強硬論を唱えて解任され,1940年にアメリカに亡命した。処女作《頌歌》(1911)や中国奥地の体験による《遠征》(1924)ですでに高い評価を受けていたが,その後公務に専念,亡命後に《流謫(るたく)》(1942),《雨》(1944)などを発表して20世紀最大の詩人の一人に数えられるにいたった。その詩風は,存在の根源に直面する孤高の思いを,格調の高い朗々たる散文に盛ったもので,ほかにも《風》(1946),《航路標識》(1957),《年代記》(1960)などの大作がある。現代の詩が,主として反抗や欲求の中に未来の解放をめざしているのに対して,彼の詩句には過去の重みがあり,時代よりもむしろ永遠を書きとどめている,と評される。1960年度のノーベル文学賞を受けた。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンジョンペルス」の意味・わかりやすい解説

サン=ジョン・ペルス
Saint-John Perse

[生]1887.5.31. フランス領,グアドループ島
[没]1975.9.20. フランス,バール,ジアン
フランスの詩人,外交官。本名 Marie-René-Auguste-Alexis Léger。ボルドー大学法学部卒業。 1914年外務省に入り,北京,ワシントン D.C.などに勤務ののち,33~34年には外務省秘書官長をつとめ,41年ドイツ軍のパリ占領を機にアメリカに渡り,以後そこに居住。 60年ノーベル文学賞受賞。同時代のあらゆる文学的潮流から離れた彼の詩は,クローデル風の破格の韻律と幻想豊かな具象的イメージによって,雄大な宇宙的規模の叙事詩をうたい上げている。キリスト教を信じていなかったが,超越的な存在を求める真摯で力強い姿勢が感じられる。詩集に『賛歌』 Éloges (1911) ,『遠征』 Anabase (24) ,『亡命』 Exil (42) ,『鳥の世界』L'Ordre des oiseaux (62) ,『ダンテのために』 Pour Dante (65) 。

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20世紀西洋人名事典 「サンジョンペルス」の解説

サン・ジョン ペルス
Saint John Perse


1887.5.31 - 1975.9.20
フランスの外交官,詩人。
元・フランス外務省事務総長。
イレ・タ・フーユ島(フランス領アンティル諸島)生まれ。
本名Marie René Auguste Alexis Léger。
別名Saint Léger Léger。
弁護士の家庭に生れ、ボルドー大学で法学を修めるかたわら詩作を志した。1914年フランスの外交官試験に合格し、’16〜21年北京に駐在した。’33〜40年フランス外務省事務総長を務めたがミュンヘン協定に反対したためその職を解かれ単身米国に亡命した。’41年ワシントンの国会図書館顧問となる。’57年帰国した。’60年その詩集に対しノーベル文学賞が授けられた。主な作品に「頌歌」(’11年)、「年代記」(’60年)、「鳥」(’63年)等がある。

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百科事典マイペディア 「サンジョンペルス」の意味・わかりやすい解説

サン・ジョン・ペルス

フランスの詩人,外交官。本名マリー・ルネ・アレクシ・レジェ。フランス領アンティル諸島での幼年時代を扱った《讃歌》(1911年)で出発,北京のフランス公使館駐在中に歩いた中央アジアの印象を歌った《遠征》で名声を確立。第2次大戦中は米国に亡命した。ほかに《流謫》《風》《年代記》《鳥》《名誉》など。1960年ノーベル文学賞。

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367日誕生日大事典 「サンジョンペルス」の解説

サン・ジョン・ペルス

生年月日:1887年5月31日
フランスの詩人,外交官
1975年没

サン・ジョン・ペルス

生年月日:1887年5月31日
フランスの詩人;外交官
1975年没

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