サントス(英語表記)Santos, Juan Manuel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「サントス」の解説

サントス
Santos, Juan Manuel

[生]1951.8.10. ボゴタ
コロンビアの政治家。大統領(在任 2010~18)。フルネーム Juan Manuel Santos Calderón。国内有力紙『エル・ティエンポ』の発行元を所有する著名な一族の出身。カルタヘナの海軍兵学校を経てアメリカ合衆国に渡り,1973年にカンザス大学で経済学と経営学の学士号を取得。卒業後は国際コーヒー機関 ICOのコロンビア代表団団長を務めた。その間にロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学,経済開発,行政学を学び,1981年にハーバード大学で行政学の修士号を取得した。帰国後はエル・ティエンポに入社,その後政界入りし,1991~94年貿易大臣,2000~02年財務大臣を歴任,2005年には国民統一社会党 PSUNを結成した。2006~09年アルバロ・ウリベ政権で国防大臣として反政府組織コロンビア革命軍 FARC掃討作戦の陣頭指揮をとり,2008年に 6年間 FARCに監禁されていた政治家イングリッド・ベタンクールの救出作戦に成功した。2010年大統領に選出され,2014年再選。52年に及ぶ内戦の終結に向け,政府と FARCとの歴史的対話を主導してきたサントスは,2016年9月26日,FARCのロドリゴ・ロンドーニョ最高司令官と和平合意文書の署名にいたった。10月2日に行なわれた国民投票で合意が僅差で否決されたものの,11月下旬には再交渉後の新協定が議会で承認された。2016年,FARCとの和平合意に尽力したとしてノーベル平和賞(→ノーベル賞)を受賞した。

サントス
Santos

ブラジル南東部,サンパウロ州南東部の都市。同国最大の港湾都市。中心集落は州都サンパウロの南東約 50km,大西洋に面し,狭い水路によって本土からへだてられたサンビセンテ島の本土側沿岸にある。市の前面あたりから南のサントス湾に向って水路は次第に幅広くなり,大型船が入できる。 1543年建設され,この地方一帯のポルトガル植民地の主要港として発展。 19世紀後半から背後の高原地帯でコーヒー栽培が盛んになり,以後現在までコーヒー積出港として繁栄。コーヒーの積出量は世界最大で,市内いたるところにコーヒーの香りが漂っている。コーヒーのほか綿花,砂糖,バナナ,ひまし油,牛肉,トウモロコシ,水産物,オレンジ,皮革,工業製品などを積出し,同国の主要港の一つとなっている。工業も盛んで,製材,食品,セメント,石鹸などの工場がある。美しい砂浜海岸があり,海浜保養地としても知られる。市街は水路に面した低湿な沖積平野に広がり,亜熱帯性の多雨気候と相まってかつてはきわめて住みにくい土地であったが,排水路をはじめとする各種の衛生施設や舗装道路の建設により,衛生状態は大幅に改善された。サンパウロからマル山脈の急斜面を下ってケーブル鉄道と道路が通じ,サンパウロの外港としても機能している。人口 42万 8526 (1991推計) 。

サントス
Santos, Lope K.

[生]1879
[没]1963
フィリピン作家,詩人,ジャーナリスト,労働運動指導者,政治家。タガログ語で小説を書き始めた先駆者の一人。主著『夜明けの光』Banaag at Sikat(1906)はアメリカ合衆国統治時代の労働者と資本家との闘争を描き,社会主義を紹介している。また国語文法の父とも呼ばれ,タガログ語に基づいた国語フィリピノ語の組織的な文法書『国語文法』Balarila ng Wikang Pambansa(1946)を書いた。(→フィリピン文学

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百科事典マイペディア「サントス」の解説

サントス

ブラジル南東部,サン・パウロの南東約50kmにある大西洋岸の港湾都市。19世紀中葉から世界最大のコーヒーの輸出港となる。1930年代以降,サン・パウロ工業圏の拡大にともない,当市の工業化も進んでいる。1908年日本の最初ブラジル移民笠戸丸で到着した。1543年創設。41万7098人(2009)。

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精選版 日本国語大辞典「サントス」の解説

サントス

〘名〙 (santos サントの複数形) キリシタン用語。諸聖人。
※どちりなきりしたん(一六〇〇年版)(1600)六「かたうりかにてましますさんたゑけれじゃさんとすみなつうようし玉ふ事」

サントス

(Santos) ブラジル南東部の大西洋岸にある港湾都市。サンパウロの外港で、ブラジル第一の貿易港。コーヒーの積出しは世界一。海岸は有名な海水浴場と保養地。

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デジタル大辞泉「サントス」の解説

サントス(Santos)

ブラジル南東部の港湾都市。サンパウロの外港として発展。コーヒー積み出し港。海岸は保養地。日本人移住者の最初の入植地。

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世界大百科事典 第2版「サントス」の解説

サントス【Santos】

ブラジル南東部,サン・パウロ州の大西洋沿岸地帯にある都市で,ブラジル最大の港をもつ。人口41万5554(1991)。サン・ビセンテ島上にあるが,大陸に密着し,サン・パウロ市より63kmの地点にある。16世紀,植民初期に開けたが,長く一寒村にすぎず,19世紀中葉からサン・パウロ州コーヒー生産の爆発的成長とともに〈コーヒーの港〉となった。世界消費量の7~8割を占めてきたブラジル・コーヒーの大部分はサン・パウロ,パラナ両州の内陸より送られて,この港からおもにヨーロッパ北米に輸出された。

サントス【Lope K.Santos】

1879‐1963
フィリピンの作家。ルソン島リサール州の生れ。苦学してマニラ師範学校を卒業,教師となった。このときフィリピン革命を経験,以後目覚ましい社会活動が開始された。1902年にフィリピン初の労働組合,フィリピン民主労働組合の創設に参加,03年以後は《再生》ほか多数のタガログ語週刊誌の創刊,編集に携わり,自らも自然主義的社会派小説をそれらに連載,《朝焼け日の出》(1906)は社会派タガログ文学の古典とされている。

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