イタリアの詩人。本名ウンベルト・ポーリ。母方はユダヤ系。誕生直前に両親が離婚。生活を支えるために、早くから船員や志願兵となるが、結婚後、トリエステに古書店を開き、詩作に沈潜する。ファシスト政府の人種法制定に伴って、一時、パリへ逃れるが、まもなく帰国して、フィレンツェ、ローマに隠れ住む。こうした宿命を担いながら、サーバはその人生の途次で出会った人々や、故郷トリエステの町や、さまざまな事物を、あたかも自伝を書くように、叙情詩に綴(つづ)った。その詩は、ときに意識の流れやフロイトの精神分析の方法を取り入れることはあっても、けっして難解ではなく、鋭い感覚と深い思惟(しい)を背後に潜ませた、平明かつ簡潔なことばで綴られている。初期の詩から次々に発表された作品は『叙情詩集』(1961)に集大成されている。ほかに『「叙情詩集」の歴史と年代記』(1958)などがある。
[川名公平]
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…このためトリエステの文学は中欧の文学と結びつき,フロイトの精神分析を取り入れるなど,早くから心理主義的傾向をみせ,同時にイタリア文学を近代ヨーロッパの文学に結びつけた。その核として働いたのがズベーボやサーバらユダヤ人の活動である。ユダヤ人同士の人種的結合による文学サークルは存在しないが,現代作家のA.モラビア,N.ギンズブルグ,G.バッサーニ,あるいは文芸批評家デベネデッティGiacomo Debenedetti(1901‐67)らを含め,トリエステを拠点とするユダヤ人の文学はイタリアで隠然たる力をもっている。…
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