冬季は北極気団がコリマ盆地からヤクーツク地方,あるいはノバヤ・ゼムリャ島から中央シベリアに入る。そこで,モンゴル北部の大高気圧の形成と並行して,激しい放射冷却が続き,さらに適度な乱流交換で冷却が上方に伝わり,大気下層は著しく低温になり,北極気団は世界で最も冷たいシベリアの大陸性寒帯気団に変わる。この過程は2日ないし数日で終わり,気温の接地逆転層は高さ1~1.5kmにまで成長する。その上には上空の流れが沈降して比較的高温で,約3kmまで非常に安定な成層ができる。水蒸気も少量で地面近くでも1kg当り0.5gほどである。南側の崑崙山脈が冷気の南下を阻止して気団の形成と高気圧の発達を助成する。通常,冬のシベリア気団とはこのモンゴルに中心をもつ大高気圧圏内の空気の総称である。この気団が季節風として溢出すると高気圧は衰え,再び北極気団が南下して同じ経過を繰り返す。夏は大陸の北東部が低圧域になり,大陸性寒帯気団は本来のシベリア地方に限定されている。
執筆者:斎藤 直輔
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