シリアアラブ共和国(読み)シリア(英語表記)Syria

翻訳|Syria

デジタル大辞泉 「シリアアラブ共和国」の意味・読み・例文・類語

シリア(Syria)

西アジア地中海東岸の、現在のシリアレバノンイスラエルヨルダンなどにまたがる地域名。前312年シリア王国が成立、ローマ統治を経て、7世紀にはウマイヤ朝の中心地となる。16世紀から第一次大戦まではオスマン帝国属領、1920年フランスの委任統治領となる。
西アジアの国。正称、シリア‐アラブ共和国。首都ダマスカス国土南部シリア砂漠。1944年にフランス委任統治領から独立。1958年、エジプトと統合しアラブ連合共和国を形成したが、1961年離脱。人口2220万(2010)。スーリーヤー。
[補説]「叙利亜」とも書く。

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精選版 日本国語大辞典 「シリアアラブ共和国」の意味・読み・例文・類語

シリア‐アラブ‐きょうわこく【シリアアラブ共和国】

  1. ( Syrian Arab Republic ) 西アジアの共和国。地中海に面する。大部分は台地状のシリア砂漠からなり、住民の大部分はシリア系アラブ人で、イスラム教徒である。第一次世界大戦まではオスマン‐トルコ帝国領。大戦後フランスの委任統治領となり、一九四六年独立。五八年エジプトと合併してアラブ連合共和国を結成したが六一年離脱した。農業が主だが、石油・燐鉱石も産出。首都ダマスカス。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「シリアアラブ共和国」の解説

シリア・アラブ共和国(シリア・アラブきょうわこく)
al-Jumhūrīya al-‘Arabīya al-Sūrīya

首都はダマスクス。フランス(ヴィシー政権)委任統治だった1941年にイギリス,自由フランス軍により占領される。公式にはこの年に独立とされるが,実質的な独立は46年。その後,クーデタなど政情不安が続くが,58年にエジプトと合邦アラブ連合共和国となる。61年に連合共和国を離脱後,63年クーデタでアラブ社会主義のバース党が政権を掌握。70年に宗教的少数派であるアラウィー派のハーフィズ・アサドが大統領に就任し,ムスリム同胞団に対する弾圧など独裁体制を築いた。同大統領没後は息子のバッシャールが跡を継ぐ。イスラエルにゴラン高原を占領されており,全面返還を求めている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「シリアアラブ共和国」の解説

シリア−アラブ共和国
シリア−アラブきょうわこく
Syrian Arab Republic

フランスの委任統治の後,1946年に独立を果たした西アジアの共和国。首都ダマスクス
宗教・民族が複雑で政局は安定せず,1949〜54年の間に5回クーデタが起こっている。1955年にはバグダード条約機構METO)に反対してトルコ・イラクと対立し,58年にはエジプトのナセルを首班とするアラブ連合共和国をつくった。しかし,エジプト主導の経済政策や軍部の人事などに対する不満が高まり,1961年に離脱して単独の共和国となった。外交ではアラブ民族主義,反帝国主義,非同盟主義を柱とし,イスラエルに対しても強硬姿勢をとってきた。しかし,後ろ盾であったソ連の崩壊や湾岸戦争などの影響もあり,徐々に軟化の方向をみせている。

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知恵蔵 「シリアアラブ共和国」の解説

シリア・アラブ共和国

「シリア」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のシリアアラブ共和国の言及

【シリア】より

…ギリシア語(古典的発音ではシュリア)に由来し,アラビア語ではシャームal‐Shāmという。その正確な範囲は時代によって異なり,現在のシリア・アラブ共和国は古代以来の〈シリア〉という語の用法では最も狭い地域をカバーしているにすぎない。古代地理では,北はイスケンデルン(アレクサンドレッタ)湾周辺ないしトロス山脈以南から,南はシナイ半島までを含み,現在のトルコ共和国南東端からレバノン共和国,シリア・アラブ共和国,イスラエル,ヨルダン・ハーシム王国にまたがる地域にほぼ相当した。…

※「シリアアラブ共和国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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