シンタクス

精選版 日本国語大辞典 「シンタクス」の意味・読み・例文・類語

シンタクス

〘名〙 (syntax)⸨シンタックス
記号の意味を考慮しないで、記号の組み合わせについての理論規則などを研究する部門カルナップにより論理学に導入されたもの。
② ある言語で、言語単位(単語など)を配列して文を作るための、順序・支配関係などの規則の総体。また、それを研究する文法の一部門。言語単位が規則的な屈折派生などをする言語では、それ(およびそれを研究する部門)を形態論と呼び、シンタクスと対置することが多い。構文論。〔外来語辞典(1914)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「シンタクス」の意味・読み・例文・類語

シンタクス(syntax)

シンタックス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「シンタクス」の意味・わかりやすい解説

シンタクス

論理的シンタクスとも。単語が結びついてをなすときのきまり,およびその研究をさす言語学用語形態論とならんで文法の一部門をなす。研究をさす場合には,構文論,統語論統辞論などと訳す。単語がどのように文を構成するか,その語順,単語間の関係などに注目してさまざまな文型とその機能を研究する。チョムスキー生成文法理論を提唱してからシンタクスの研究がさかんになった。
→関連項目意味論

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版 「シンタクス」の意味・わかりやすい解説

シンタクス【syntax】

言語学の術語単語が結びついてを構成する場合の文法上のきまり,しくみ。また,それについての研究,すなわち文の文法的構造の研究。あるいはさらに広く,文のもつ文法的諸性質に関する研究といってもよい。〈研究〉の意の場合には,訳して構文論,統語論,統辞論ともいう。形態論とともに文法の一部門をなす。 シンタクス上,まず留意されるのは語順すなわち[1]〈単語間の前後関係〉である。だが,実は,単語はただ1列に並んで文をなすわけではなく,ある連続した二つ(またはいくつか)の単語がまず密接に結びつき(これをという),その全体がまた別の単語や句と結びついてさらに句を作る,というような関係が重なって一文をなしていると見られる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のシンタクスの言及

【生成文法】より

…有限個の規則によって無数の文を演繹的に生成しようというわけである。永い文法研究の歴史の中で,この発想はまことに斬新で画期的なものであり,以下に概観するその具体的な枠組みとともに,やがて多くの研究者の依拠するところとなり,これによって文法とくにシンタクスの研究は急速に深さと精緻さとを増して真に科学といえる段階を迎えたといってよい。最初期には意味を捨象して文の形だけに注目していたが,その後,意味と音を併せ備えたものとしての文の生成をめざすようになり,普通にいう文法(シンタクス,形態論)のほかに意味論音韻論も含めた包括的な体系を(しかもチョムスキーらは,言語使用者がそれを,自覚はしていなくとも〈知識〉(心理的実在)として備えていると見,その〈知識〉と〈それに関する理論〉の両義で)〈生成文法(理論)〉と呼んでいる。…

【文法】より

…が,文法と意味(論)の境界の画定が難しい上,一般に機能語の用法は(すべて)文法の問題だという把握が根強いようなので,これに従って,(3)も掲げた次第である。
[文法の下位区分]
 学問としての文法は,しばしば〈シンタクスsyntax〉(統語論,構文論とも)と,〈形態論morphology〉(語形論,語論とも)とに下位区分される。 シンタクスは,単語が連結して文をなす上でのきまり・規則性・原理の研究,すなわち冒頭の(1)(および(3)のうち(1)にかかわること)についての研究である。…

※「シンタクス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

少子化問題

少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...

少子化問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android