白い(読み)シロイ

デジタル大辞泉 「白い」の意味・読み・例文・類語

しろ・い【白い】

[形][文]しろ・し[ク]
雪のような色をしている。白色である。「ベンチを―・く塗る」
潔白である。無罪である。「―・いか黒いか、出るところへ出て決めよう」
どの色にも染めてない。また、何も書き込みがない。「―・いままのカンバス
明るい。鮮やかである。
「まいて、日など―・くなれば」〈宇津保・祭の使〉
経験に乏しい。野暮である。
「是見よがしに膝枕しながら、目を細めてじゃらじゃら言ひたがるは、いかう前方まへかたな―・い人と心得べし」〈浮・禁短気・五〉
[派生]しろさ[名]
[類語]白っぽい真っ白い真っ白け真っ白生白い仄白い皚皚がいがい雪を欺く真白い白白しらじら白白しろじろ雪白せっぱく雪白ゆきじろ純白白色白妙しろたえ乳色乳白色ミルク色灰白色象牙色ホワイトオフホワイトアイボリー蒼白そうはく白白しい白皙はくせき色白白面白地しらじ白地しろじ

はく・い【白い】

[形]もと、てき屋仲間の隠語》美しい。よい。上等である。「―・い女」
「面の―・いのを一人呼んで」〈滑・七偏人・二〉
[類語]美しい上等綺麗端麗麗しい見目良い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「白い」の意味・読み・例文・類語

しろ・い【白】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]しろ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 白色である。雪の色である。
    1. [初出の実例]「栲綱(たくづの)の斯路岐(シロキ)(ただむき)」(出典古事記(712)上・歌謡)
  3. 衣服、紙などで、どの色にも染めてない地のままの白である。また、何も書いてない。
    1. [初出の実例]「あて宮の御産屋の設けて〈略〉大人、童みなしろき装束をし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)
  4. 明るい。かがやいている。あざやかである。
    1. [初出の実例]「御火志呂久焼け」(出典:神楽歌(9C後)庭燎)
  5. 経験にとぼしい。素人(しろうと)らしい。また、野暮(やぼ)である。
    1. [初出の実例]「諸分合点のゆかぬお客なれば、素(シロ)ひ事ども有べし」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)三)
  6. 潔白である。無罪である。合法である。正しい。
    1. [初出の実例]「かのものはなにがしのかたより、しろくかいとるのよし」(出典:塵芥集(1536)六九条)
  7. ( 「しろし(著)」と通じて ) 明白である。あからさまである。はっきりしている。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「素(シロ)くいはんはいかがとて哥に」(出典:浮世草子・新吉原常々草(1689)下)
  8. 第二位である。階級が下である。役者評判記などで役者の位付けをした符号の一つの、白抜きの吉が黒吉より下位であるところからいう。
    1. [初出の実例]「黒ひ 役者評判記より出たり。吉の事也。白ひ、右同断、の事也」(出典:洒落本辰巳之園(1770)通言)
  9. 見込みがないさまをいう、盗人仲間の隠語。〔モダン新用語辞典(1931)〕

白いの補助注記

色名で、シロシのように、上代から色名をそのまま形容詞として用いているのは、この外、アカ・アヲ・クロに限られる。

白いの派生語

しろ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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