ジアゾタイプ

  • diazo type

百科事典マイペディアの解説

青写真と同様に文書や図面複製に広く用いられている印画法の一つ。俗に〈赤写真〉とも。ある種のジアゾ化合物(パラジアゾジフェニルアミンなど)と発色剤,安定剤の混合物を塗布した感光紙に図面を焼き付け,アンモニアガスまたは発光剤を加えたアルカリ性溶液で処理する。白地や青の線像が画されるため,訂正・書込みなどに便利。

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世界大百科事典 第2版の解説

芳香族ジアゾニウム塩感光性を利用した写真法。文書や図面の焼付け,マイクロ複写などに使われる。芳香族ジアゾニウムベンゼン核にジアゾ基N2=が結合した形の化合物が代表例であって,通常ジアゾニウムイオンと陰イオンとの塩の形で存在する。この化合物は紫外線の照射によって光分解を起こし,ジアゾ基が離脱する。この光化学反応と,ジアゾニウム塩がフェノール類,ナフトール誘導体と反応して発色することを利用するのがジアゾタイプである。

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化学辞典 第2版の解説

ジアゾ化合物がカップリング反応によりアゾ色素を形成する能力が光分解によって失われることを利用する写真法で,各種複写やフルカラー画像記録などに用いられている.現像方法により次の分類がある.
(1)湿式:ジアゾニウム塩を塗布した感光紙と原稿を重ねて紫外線で露光し,未記録部分(露光された部分)のジアゾニウム塩を光分解後,アルカリ性のカップリング成分溶液で現像し,未露光部にアゾ色素を形成させる.
(2)乾式:ジアゾニウム塩とカプラーを含む感光層に露光後,アンモニアガスに触れさせて未露光部に色素を形成させる.
(3)熱式:乾式における成分に加えて熱によってアルカリを遊離する成分を含む感光層を用い,露光,加熱により色素像をつくる.
光定着型感熱記録方式では,サーマルヘッドによる加熱部分でカップリング反応を起こさせ,発色後未反応部分のジアゾニウム塩を光分解して定着する.光定着型のなかには,ジアゾニウム塩をマイクロカプセルに封入し,カップリング反応の起こる温度および定着波長の違いを利用してフルカラーの画像を得るものもある.このほか,ジアゾ化合物は高解像力のポジ型光レジストの感光剤としても用いられる.光分解によって,共存する樹脂がアルカリ可溶化することを利用したものである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内のジアゾタイプの言及

【写真】より

…このような写真においてはレンズを備えたカメラは必ずしも適さず,直接的な記録も行われる。また感光材料については広く一般に使われるハロゲン化銀乳剤を塗布したフィルムのほか,複写に用いるジアゾ感光紙(ジアゾタイプ),電子写真の光伝導性材料あるいは写真製版に用いる感光性樹脂もある。これらの材料を含めて画像形成過程を考えると,現像の過程が種々多様であり,得られる画像の形,色も種々あることがわかる。…

※「ジアゾタイプ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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