ジェットコースター(読み)じぇっとこーすたー(その他表記)jet coaster

デジタル大辞泉 「ジェットコースター」の意味・読み・例文・類語

ジェット‐コースター

《〈和〉jet+coaster》急な起伏カーブのあるレール上を高速で走る遊戯用の列車。遊園地などに設備されている。
[補説]英語ではroller-coaster
[類語]アトラクション遊具乗り物観覧車コースターゴーカートウオーターシュートウオータースライダーフリーフォールバイキング

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精選版 日本国語大辞典 「ジェットコースター」の意味・読み・例文・類語

ジェット‐コースター

  1. 〘 名詞 〙 ( 洋語jet coaster ) 遊園地などに設けられる娯楽施設の一つ。乗客を乗せた車を高い所に引き上げ、起伏や曲折のあるレールの上を非常な速度で走らせるもの。日本では、昭和三〇年(一九五五)東京後楽園遊園地に初めてつくられた。
    1. [初出の実例]「ジェットコースターの軋(きし)る音」(出典:あじさいの歌(1958‐59)〈石坂洋次郎〉赤い鶏頭)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェットコースター」の意味・わかりやすい解説

ジェットコースター
じぇっとこーすたー
jet coaster

無蓋(むがい)の小型客車を連結して、急カーブや急傾斜の高架軌道上を惰性で突っ走らせ、スリルを味わう遊園地の娯楽施設。アメリカではローラーコースターroller coaster、イギリスではスイッチバックswitchbackということが多い。1884年アメリカ人トンプソンLaMarcus Adna Thompson(1848―1919)が廃坑になった後の炭鉱車を乗客輸送に利用した鉱山鉄道からヒントを得て、ニューヨーク郊外の遊園地コニー・アイランドに設けた「グラビティ・プレジャー・スイッチバック・レールウェイGravity Pleasure Switchback Railway」が始まりである。日本では1952年(昭和27)兵庫県・宝塚新温泉遊園地(のちの宝塚ファミリーランド。2003年に閉園)の「ウェーブコースター」が最初である。「ジェットコースター」という名で最初に登場したのは、55年東京の後楽園ゆうえんち(現東京ドームシティアトラクションズ)である。77年千葉県の谷津(やつ)遊園(1925~82)につくられた日本初の宙返りコースター「コークスクリュー」を皮切りに、各遊園地はいわゆる「絶叫マシン」の導入を進めるようになり、79年神奈川県・横浜ドリームランド(1964~2002)に「シャトルループ」、82年東京・よみうりランドに立ち乗りコースター「スタンディングループコースター」、92年(平成4)大分県・城島(きじま)後楽園遊園地に木製コースター「ジュピター」、98年三重県・鈴鹿サーキットにリニアモーター駆動のリニアコースター「マッドコブラ」などがつくられている。材料や設計技術の発達とともに、スリル感の大きなものが増え、1996年山梨県・富士急ハイランドにつくられた「FUJIYAMA」は、全長2045メートル、最高速度130キロメートル/時、落差70メートル、高さ79メートルで、全長・最高速度・落差でギネス記録を更新した。その後国内では、2000年三重県・ナガシマスパーランドにつくられた「スチールドラゴン2000」が全長2479メートル、最高速度153キロメートル/時、落差93.5メートル、高さ97メートルで記録を更新、2001年には、富士急ハイランドにつくられた「ドドンパ」が最高速度を172キロメートル/時と更新しており、2002年現在この二つの最高速度が世界第1位、2位となっている。なお、現存するコースターで日本最古のものは、1953年につくられた東京浅草の花やしきにある「ローラーコースター」である。

 海外では、アメリカ、カリフォルニア州のマジックマウンテンMagic Mountainにある「スーパーマン・ジ・エスケープSuperman the Escape」が高さ126.5メートル、落差100メートルで世界最大級である(2002)。

[可児秀夫]

『ジョン・F・キャソン著、大井浩二訳『コニー・アイランド――遊園地が語るアメリカ文化』(1987・開文社出版)』『松本孝幸著『遊園地の現在学』(1992・JICC出版局)』『細井正利著『遊園地・絶叫マシンパラダイス』(1995・フットワーク出版)』『八木一正著『遊園地のメカニズム図鑑――ジェットコースターが落ちない理由』(1996・日本実業出版社)』『宮田珠己著『ジェットコースターにもほどがある』(2002・小学館)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェットコースター」の意味・わかりやすい解説

ジェットコースター
roller coaster

地上高くにかけられた急勾配線路を高速で上り,下り,急旋回してスリルを楽しむ乗り物遊具。旧来のものは,発車後に急な坂を一気に降下し,その勢いで走行する。今日の形式のジェットコースター以前のものとしては,15世紀にロシアで遊ばれていた,人工の氷の坂を木製のそりで滑降するものがあげられる。1784年にサンクトペテルブルグで営業を開始したものは,溝の中を上下しながら滑りおりるものだった。その後 1804年に車輪を装着した同種の遊具がパリでつくられ,1817年には改良されて,脱線防止の車輪を備え,環状のコースを走るものとなった。アメリカ合衆国では 19世紀初めに開発が始まり,1920年代に一大ブームが到来した。1959年ディズニーランドに鋼鉄管製のレールとナイロン製車輪を用いた最初のジェットコースターが登場すると設計の自由度が増し,1970年代には螺旋状に回りながら進む「コークスクリュー」や垂直に宙返りするものが開発された。また,いっそうのスリルを求めて,乗客が車両から宙吊りとなるものや車両に立ったまま走行するもの,前進と後進を行なうもの,垂直近い角度で降下するものなどが開発された。20世紀末にはリニアモータで加速する形式のものが現れ,最高速度も時速 150km以上に達した。日本では 1955年7月に開業した東京都文京区の後楽園遊園地が初めてジェットコースターの名で設置,以後,各地の遊園地が速度や動きの激しさなどを競っている。(→遊園地

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改訂新版 世界大百科事典 「ジェットコースター」の意味・わかりやすい解説

ジェットコースター
jet-coaster

傾斜をつけたレールに車両を引き上げ,急速度で下降させる遊戯機械。アメリカではローラーコースターroller coasterと呼ばれる。起源は帝制ロシア時代,現在のサンクト・ペテルブルグ郊外につくられた木造の山形のすべり台によるそり遊びといわれる。1873年のウィーン万国博覧会には,木製の斜面上のレールを2人乗りの車が下降する〈ロシアの山〉が登場した。アメリカでは,山頂への乗客輸送に転用された鉱山鉄道にヒントを得たA.トンプソンが,84年にコニー・アイランドに〈スイッチバック・レールウェー〉を設置したのが嚆矢(こうし)で,96年には垂直のループをもつ〈フリップフラップ〉もつくられた。日本では1952年,大阪の枚方(ひらかた)公苑と宝塚新温泉が最初で,翌53年東京の花やしきにもつくられ,55年には後楽園にはじめて〈ジェットコースター〉という名で登場した。77年千葉の谷津遊園に,アメリカで75年に初登場したコークスクリューが導入されて以来,日本でも新型機種ブームとなり,一段とスリルが求められるようになった。
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百科事典マイペディア 「ジェットコースター」の意味・わかりやすい解説

ジェットコースター

米国ではローラーコースターroller coasterと呼ばれる。遊園地の娯楽乗物。起伏のある高架レールを設け,出発点まで車台を引き上げ,レール上を重力によって高速滑降させる。帝制ロシア時代にサンクト・ペテルブルク郊外に作られた木造のすべり台によるそり遊びが起源とされ,米国では1884年登山鉄道に想を得た設備がコニー・アイランドに設置された。日本では1952年大阪府の枚方(ひらかた)公園のものが本格的な設備の最初で,東京では1955年後楽園遊園地に〈ジェットコースター〉の名で登場した。

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