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スイッチバック switchback

翻訳|switchback

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スイッチバック
switchback

急勾配区間での鉄道線路建設方式の一つ。次の2つの場合がある。 (1) 一定の勾配限界内で急勾配を克服するため,線路をZ字型に建設したもので,ポイントの切替えと列車の進行,逆行を繰返して線路の高度を高めていく方式。 (2) 急勾配区間の中間駅の部分だけを水平に位置させるため,平坦な引込み線を設け,そこに駅をつくる方式。通過列車は引込み線に入らなくてもよいような線路配置を採用しているものが多い。日本の場合,大部分はこの目的で設けられたもの。また平坦部路線でも,集落の位置との関係でスイッチバックを用いることもある。 (1) ,(2) いずれの場合も列車は停車と逆行を繰返すので高速化の障害となり,近年は長大トンネルの建設によって,急勾配が解消されるにつれて減少の傾向にある。

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デジタル大辞泉の解説

スイッチ‐バック(switch back)

[名](スル)
工学的な切り換え復帰機能。
急勾配を緩和するための折り返し式の鉄道線路を列車がポイントを切りかえながらジグザグに上り下りをすること。また、その線路。

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百科事典マイペディアの解説

スイッチバック

列車を折返し運転するため鋭角的に設けた鉄道線路。特に山間の急勾配(こうばい)個所を迂回(うかい)しないで運転する場合や,急勾配個所の途中に本線から分岐して水平または緩勾配停車場を設け,再び急勾配の本線に戻る場合のものをいうことが多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

スイッチバック【switchback】

列車(または車両)を折返運転するために,分岐器(ポイント)によって鋭角的に接続させた鉄道線路。用途は大別して二つある。一つは一般の停車場構内で,ある方面からきた列車を転線して元の方向に出すために用いられるものであり,これは折返線とも呼ばれる。もう一つは山間部などで本線路が急こう配区間の場合,本線路より分岐して水平または緩こう配区間に客貨の列車扱い設備を設けるために利用されるもので,単にスイッチバックといえばこちらを指す。

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大辞林 第三版の解説

スイッチバック【switchback】

( 名 ) スル
急勾配こうばいを緩和するため、ジグザグ形に設けた鉄道線路。列車は折り返して後退し、別の線に入ってまた前進するという運転をしながら進む。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スイッチバック
すいっちばっく
switch back

急な傾斜面の線路の勾配(こうばい)を緩和するために考えられた線路の敷き方。勾配区間に駅がある場合、停車中にブレーキを緩めると列車が動きだす危険があり、また登り坂に向けて発車する際にはかなりの力を要し、悪天候の場合には動輪が空転して発車できないこともある。したがって、駅構内の線路はなるべく水平がよい。しかし駅構内を水平にならすと、先で勾配がもっと急になるおそれがある。その対策として山越えの路線で考え出されたのがスイッチバックである。列車が駅を通過することのできるX字形、駅に停車する必要のあるY字形などの分類がある。
X字形の場合
 上ので、右下から坂を登ってきた列車は、左側に設けられた水平になっている駅に入る。この線路は行き止まりになっており、客の乗降が終わると、列車はポイントを切り替え、後退してやはり水平な右の引込線に入る。そこで停車し、またポイントを切り替えて前進し、左上の線路を登ってゆく。駅を通過する列車は右下から左上に直進する。
Y字形の場合
 下ので、右下から登ってきた列車は、水平になっている駅に停車して客の乗降がすむとポイントを切り替え、列車は逆行して右上の線路を登ってゆく。中国山脈を横断する木次(きすき)線の出雲坂根(いずもさかね)駅が有名である。
 しかし、スイッチバックは、駅に停車するためでなく、勾配を緩和する目的で設けられることが多い。小田原から強羅(ごうら)まで、15キロメートルの間に550メートルを登る箱根登山鉄道(1919年開通)は、出山(でやま)、大平台(おおひらだい)、上大平台にスイッチバックがあり、三つのうち駅があるのは大平台だけで、残る二つは単なる信号場で駅員はいない。このようにスイッチバックを設けても、この線にはまだ66~80‰(パーミル)の勾配がいくつもある。また、中央本線にはかつて高尾―塩尻間に九つものスイッチバックがあったが、車両性能が向上して現在は初狩(はつかり)駅で貨物列車専用として使用されるだけになった。
 このほか、阿蘇(あそ)の外輪山を越える豊肥本線の立野(たての)駅付近、肥薩(ひさつ)線の矢岳(やたけ)越えの大畑(おこば)駅付近、篠ノ井(しののい)線の姨捨(おばすて)駅付近、えちごトキめき鉄道(旧JR信越本線)の二本木(にほんぎ)駅付近にもスイッチバックがある。[吉村光夫]

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