デジタル大辞泉 「スキナー」の意味・読み・例文・類語
スキナー(skinner)
[類語]ナイフ・カッターナイフ・カスタムナイフ・アーミーナイフ・シースナイフ・ジャックナイフ・サバイバルナイフ・バタフライナイフ・フォールディングナイフ・ブッシュナイフ・ペーパーナイフ・ペンナイフ・ポケットナイフ・飛び出しナイフ・切り出し・彫刻刀・
現代アメリカの代表的心理学者。ペンシルベニア州生まれ。ハーバード大学で学位を取得後、ミネソタ、インディアナ大学を経て、1948年ハーバード大学教授となり、1958年来、終身教授。新行動主義Neo behaviorismのリーダーの一人。1930~1940年ごろ、動物実験による基礎研究から実験的行動分析experimental analysis of behaviorを確立した。この方法はパブロフの古典条件づけの原理に影響を受けながら、生活体の自発的行動の条件づけを扱うものであり、オペラントoperant条件づけと称される。古典条件づけが反応と独立に刺激を呈示することに重点を置くのに対し、オペラント条件づけは反応と強化の随伴関係contingencyによる行動の形成・維持を扱うもので、彼は強化のさまざまなスケジュールによる定常的な反応率の相違に関する精細な研究を展開した。また、この目的のため、迷路実験などの従来の動物実験を批判し、単純・明確な操作を可能にするスキナー箱を考案、ユニークな実験を行った。
1950年以後、この成果にたって人間の学習行動、言語条件づけなどについて研究を進め、さらにティーチング・マシンの開発によるプログラム学習、行動薬理学、行動修正(変容)behavior modificationを利用した臨床技術、行動療法など多方面にわたって業績を残している。主著に『The behavior of organism』(1938)、『Science and human behavior』(1953)、『Verbal behavior』(1957)、また『行動工学とはなにか』About behaviorism(1974)などがある。
[小川 隆]
『犬田充訳『行動工学とはなにか』(1975・佑学社)』
新行動主義を代表するアメリカの心理学者。1948年以来ハーバード大学の終身教授。《生体の行動》(1938)はスキナー箱による多くの実験をもとにオペラント行動概念を述べたもので,その後の研究活動はすべてここから展開した。また行動の制御を具体化する理想共同体についての空想小説の執筆,理想的保育小屋による子育て実践,行動分析の研究会と雑誌の指導のほか,精神薬理学,精神病者や障害児に対する行動療法,幼児教育,ティーチング・マシンによる教科学習法などに行動工学的技術を広く応用した。さらに経済,行政,宗教などの実験的行動分析の立場からの解析,老年期の過ごし方の研究などもある。すべて行動の予測と制御のための具体的操作と行動変容の測度を重視し,擬似生理学的説明,未熟な媒介変数による理論化,数学的モデル,因子分析などに反対した。主著はほかに《科学と人間の行動》(1953)など。
執筆者:梅津 耕作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかしいずれも行動主義に立脚しているので,それまでの心理療法とは対照的に一括される。行動療法という用語はアメリカのリンズリーO.R.Lindsley,スキナー,ソロモンH.C.Solomonらが精神病者にオペラント条件づけ技法を適用した報告(1953)にはじめて現れた。そして従来の業績を集大成したアイゼンク編著の《行動療法と神経症》(1960)により行動療法なる語が世界的に広まった。…
…たとえば,日本語教育のために用いられる日本語ワープロや,インターネット上で教材を提示するためのWWWサーバーやブラウザーも広義のCAIに含まれる。
[CAIの歴史]
CAIの歴史は,1958年スキナーがIBMと共同でコンピューターによる個別指導システムを開発したことに始まる。1960年代になり新行動主義とプログラム学習理論を源流に初期のCAIが発展した。…
…このOの要因には,判断,習慣,要求など,いろいろなものを想定できるわけで,そのように考えれば,客観的行動の科学である心理学のなかに一種の主体をもち込むことになる。この立場は新行動主義と呼ばれているが,B.F.スキナーのようにいっさいその種の要因を想定しない人もいる。行動主義心理学は,かつては大学の研究室のなかで主としてネズミなどを相手に実験していただけであったが,近年は行動療法と称して心理療法の分野に乗り出している。…
…B.F.スキナーが考案したオペラント学習実験装置で,問題箱の一種。基本的には箱内壁に梃子(てこ)があり動物がそれを操作すると餌が自動的に出てくる構造になっている。…
※「スキナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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